100億企業化

【100億宣言】創建ホーム、事業変革で描く「広島No.1」の未来図

2026.05.13

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代表取締役社長 山本 慎
 

広島県を拠点に、40年以上にわたり地域に根差した住まいづくりを手掛けてきた創建ホーム株式会社。注文住宅を主軸に成長を遂げた同社は今、新築市場の縮小という不可逆的な変化を見据え、第二の創業期ともいえる大胆な事業変革に挑んでいる。創業以来のビジネスモデルに固執することなく、「リフォーム」「非住宅」「不動産」を新たな成長ドライバーへと昇華させ、100億円企業への道を確実なものにしようとしている。これは単なる規模の拡大ではない。永続企業として地域社会に貢献し続けるための、緻密な戦略と覚悟の物語である。

企業情報
会社名
創建ホーム株式会社
設立
1985年12月
従業員数
155 名 (2025年3月1日現在、パート含む)
事業内容
・注文住宅の企画、設計、施工
・リフォーム、リノベーション
・家具販売
・エクステリア、外構
・不動産の売買、仲介、賃貸物件の管理
・宅地造成の企画、開発
100億宣言
https://growth-100-oku.smrj.go.jp/companies/pdf/00252-00.pdf

 

東広島本部の外観

創業と急成長、および訪れた「60億の壁」

1985年、現会長が5名の仲間と共に創業した創建ホームは、注文住宅事業を核として破竹の勢いで成長を遂げた。その拡大戦略は広島県内にとどまらず、岡山、さらには仙台や東京にまで拠点を広げ、売上は60億円規模にまで到達。しかし、その輝かしい成長の裏で、組織は静かに「成長の踊り場」へと足を踏み入れていた。拡大路線は次第に勢いを失い、売上は長らく60億円前後で停滞。創業期を牽引した拡大戦略が限界に達し、岡山や日本橋からは撤退を余儀なくされる。創業以来の成功体験が、かえって次なる一手を見えにくくしていた。
 
この停滞期、現社長である山本 慎 氏は「事業承継」という形で同社と向き合うことになる。もともとは広告業界で自らの会社を経営しており、「家業に戻るつもりはなかった」と語る。しかし、社内で進んでいた上場計画が様々な理由で断念され、誰がこの船の舵取りを担うのかという問題が浮上。外部での経験を持つ彼に白羽の矢が立ったのだ。彼が取締役として入社した当時の組織は、売上規模こそ大きいものの、創業以来の事業モデルに依存し、社員からは将来への漠然とした不安が感じられた。「このままではいけない。自分が承継するならば、会社を根底から変えていかなければならない」。その強い危機感が、のちに続く改革の原動力となった。

本部移転という「聖域への挑戦」、変革の号砲

改革の第一歩であり、最大のターニングポイントとなったのが、大胆な本部機能の移転だった。創業の地であり、人口約2万人の竹原市から、人口約19万人で県内有数の成長都市である東広島市へ。これは単なる物理的な移動ではない。旧来のビジネスモデルからの決別を社内外に示す、極めて戦略的な意思決定であった。「竹原市にいては、リクルーティング、情報、マーケット、あらゆる面で未来はない」。そう直感した社長は、当時の経営陣に対し、財務体質や知名度に相応しい拠点を構え、新たな事業開発を推進すべきだと、熱意のこもった企画書を何度も提出した。
 
この提案は、創業の地への愛着も深い経営陣にとって、簡単には受け入れられるものではなかった。しかし、ロジカルなデータと未来へのビジョンを粘り強く訴え続けた結果、ついに承認を勝ち取る。この本部移転こそが、創建ホームの第二章の幕開けを告げる号砲となった。かつて同社のビジネスモデルは、住宅展示場への出展と折り込みチラシが主力の集客装置だった。しかし、全国的に展示場の来場者数は鈍化の一途をたどり、出展コストに見合う成果を上げ続けることが困難になりつつあった。そこで、東広島の新本部にはインテリアショップを併設。「家を建てる」という目的がなくても、誰もが気軽に立ち寄れる「新たな顧客接点」を創出したのだ。この戦略が奏功し、広告代理店に依存しない自社集客の仕組みが確立。この東広島本部は、今や新築受注トップを誇る最重要拠点となり、同社の変革を象徴する存在となっている。

顧客への提案風景

「住宅一本足打法」からの脱却、事業ポートフォリオの再構築

東広島への本部移転を機に、創建ホームは「注文住宅一本足打法」からの脱却を加速させる。4年前まで売上のほぼ100%を占めていた注文住宅への極端な依存から脱し、事業の多角化を一気に推し進めた。近年の実績(89.1億円)では、リフォーム事業が12億円、エクステリアが2.8億円、家具が1.2億円、イベント事業が4,500万円と、着実に新たな収益の柱が育っている。これは、コロナ禍のような不測の事態にも揺るがない、強靭な経営体質を築くための戦略的な布石である。

リフォームの打ち合わせ風景

特にリフォーム事業は、今後の成長戦略の要と位置づける。人口減少で新築着工棟数の先細りが見込まれる一方、県内には同社が過去に建てた住宅を含め、膨大なリフォーム潜在市場が存在する。この巨大なマーケットを本格的に開拓すべく、まずは30〜40億円規模への成長を目指す。さらに、昨年M&Aで取得した不動産会社を起点に、中古不動産の買取再販事業も本格化。自社のリフォーム・リノベーション技術を活かって物件に新たな価値を付加し、市場に提供する循環型ビジネスを確立していく。新築という「フロー」だけでなく、リフォームや不動産という「ストック」に軸足を置くことで、安定した収益基盤を構築する構えだ。

イベント事業が拓く、異次元のマーケティング戦略

事業多角化の中でも特に異彩を放ち、同社のマーケティング思想を色濃く反映しているのが、住宅とは直接関係のない「イベント事業」だ。併設のスペースを活用し、子ども向け、シニア向け、あるいはドライフラワー教室や写真展、スーツや雑貨のポップアップショップなど、ターゲットを一切限定しない多彩なイベントを自社で企画・運営する。これにより、従来では決して接点を持つことのなかった幅広い顧客層の来場を促し、独自の顧客リスト(名簿)を継続的に蓄積することに成功した。

自社開催イベントの様子

かつては外部のイベント会社に多額の費用を払って委託していた業務を、経営企画部主導で完全に内製化。これにより、コスト削減どころか、年間4,500万円の売上を生み出すプロフィットセンターへと転換させた。LINEなどを活用してイベント参加者をファンとして組織化し、そこからリフォームや新築、家具購入などの潜在顧客を丁寧に掘り起こしていく。この緻密な仕組みは、従来の住宅業界の常識を覆す、BtoCマーケティングの新たなモデルケースといえるだろう。年収層やライフステージを問わず、多様な人々と繋がり続けることで、盤石な顧客基盤を築き上げている。

「非住宅」領域への挑戦、二代目経営者の”想い”に商機

注文住宅で培った設計・施工の技術力と地域での信頼を武器に、創建ホームは「非住宅」という新たなフロンティアに踏み出した。大手デベロッパーが手掛ける数十億円規模の大型案件ではない。彼らがターゲットとするのは、1〜3億円規模のオフィスや店舗、倉庫といった、いわば”ニッチ”なボリュームゾーンだ。大手が見過ごしがちなこの市場こそ、地域に根差す同社が最も価値を発揮できる領域だと判断したからである。
 
昨年には、この領域を専門に手掛ける組織として「創建ホーム不動産」と一級建築士事務所「 アーキテクチャー デザイン SK 」を新設。すでに広島銀行の支店新築工事を手掛けるなど、着実な成果も出始めている。特にターゲットとして見据えるのは、代替わりを控えた二代目、三代目の経営者たちだ。「先代が築いたものを、自分の代で新しくしたい」。そうしたブランドチェンジへの強い想いは、オフィスや店舗の建て替え・改装といった具体的な需要に繋がりやすい。自身も事業承継者である社長は、彼らの気持ちを深く理解できる。その共感を起点に、地域経済の活性化に貢献する、同社ならではの挑戦が続く。

広島銀行高屋支店新築工事

「広島県内No.1」へのこだわり、ドミナント戦略の真意

かつては全国展開も視野に入れた同社だが、現在は「広島県内での事業充実に注力する」という明確なドミナント戦略を掲げる。これは、いたずらに規模を追うのではなく、地場での圧倒的な知名度と40年かけて築き上げた信頼を最大限に活用し、事業領域を深く、および濃く掘り下げていくという意思表示だ。M&Aの対象も県内企業に絞り、地域経済の活性化に貢献しながら成長を目指す。県外に出ていくメリットよりも、”地の利”を活かしきるメリットの方が大きいと判断している。
 
この戦略に基づき、これまで手薄だった県西部や北部といった未開拓エリアへの出店も具体的に計画。尾道市には新たな住宅展示場がオープンを控えるなど、県内全域をカバーするネットワークを着々と構築している。新築、リフォーム、不動産、非住宅といった多岐にわたるサービスを、県内すみずみの顧客へきめ細かく提供できる体制を構築する。150億円という売上目標も、すべてはこの愛する広島という土壌の上で達成されるべきものだと考えている。

「評価制度改革」と「人材戦略」こそが、100億企業への鍵

「150億円企業」という目標達成、およびその先の永続的な成長を見据えた時、最大の課題は「組織」と「人材」である。創業以来の強力なトップダウン経営は、急成長を支える一方で、次世代の経営幹部が育ちにくいという構造的な課題も内包していた。この課題を克服するため、社長就任後、管理職研修や新たな評価制度の導入という、組織の根幹を揺るがす改革に着手した。
 
2026 年1月からは、年功序列的な要素を排し、役割や貢献度に基づく新たな評価・給与体系が始動。賞与の一部を基本給に組み込むことで月給のベースを引き上げ、社員の生活基盤を安定させると同時に、成果や挑戦が正当に報われる仕組みを構築した。しかし、これはゴールではない。今後2〜3年かけて給与水準をさらに引き上げ、大手ハウスメーカーの給与水準にも見劣りしないほどの待遇を実現することで、優秀なプロフェッショナル人材を外部から獲得できる組織へと進化させる計画だ。現在、即戦力となる幹部人材の採用には苦戦しているが、それは自社の給与水準がまだ途上にあるからに他ならない。まずは既存社員の待遇を改善し、若手・中堅社員が実力でポストを掴み取れるチャンスのある会社にすること。それこそが、これからの時代を勝ち抜くための最重要戦略だと確信している。

社内業務風景

社長が描く「ベース作りの10年」、次世代へ託す未来

「私の代でやるべきは、会社がこの先も永続していくためのベース作りだ」。社長は自らの役割をそう定義する。売上150億円というトップラインの達成と、それに伴う組織品質(クオリティ)の担保。それが、次世代にバトンを渡すまでに成し遂げるべきミッションである。65歳での引退を公言し、残された約10年でその礎を盤石なものにする。

ショールーム内装

事業承継については、自身が広告業界で実力を証明してきた経験から、「これからのリーダーは世襲ではなく、実力で若手を惹きつけ、束ねられる人物であるべきだ」と断言する。創業家でありながら、その地位に安住することなく、常に変革の先頭に立ち続ける。新規事業の立ち上げには自ら深く現場に降りていき、0→1を生み出す苦労と喜びを社員と共にする。その姿は、まさに「プレイング・イノベーター」そのものである。

まとめ

創建ホームが歩む道は、単なる地方の住宅メーカーの成長物語ではない。それは、時代の変化を的確に捉え、過去の成功体験という名の”呪縛”から自らを解き放ち、事業ドメインを果敢に再定義し続ける「変革の物語」である。注文住宅という揺るぎない基盤の上に、リフォーム、不動産、非住宅、および独自のマーケティングといった新たな柱を次々と打ち立てる。その根底にあるのは、「広島」という地域への深い愛着と、社員一人ひとりの成長こそが企業の未来を創るという確固たる信念だ。100億円、および150億円という目標は、永続企業へと飛躍するための単なる通過点に過ぎない。創建ホームの第二の創業期は、まだ始まったばかりである。

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