100億企業化

【100億宣言】環境課題を価値に転換する「株式会社浜田」の挑戦。静脈産業の常識を覆す環境ソリューション企業へ

2026.06.03

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代表取締役 濵田篤介
 

大阪府高槻市に本社を構える株式会社浜田は、1969年の創業以来、金属リサイクルを起点としながら、時代の変化と顧客のニーズを的確に捉え、事業領域を拡大してきた。現在は「日本一の環境ソリューション企業になる」という壮大なビジョンを掲げ、産業廃棄物の収集運搬・分別処理、金属リサイクル、そして太陽光パネルのリユース・リサイクルといった多角的な事業を展開。
 
単なる廃棄物処理に留まらず、コンサルティングや全国規模の管理ネットワークを駆使して、顧客が抱える環境課題にワンストップで応える。そこには、「環境課題を価値に転換し、世界をインスパイアする」という揺るぎないパーパスが存在する。本稿では、同社が静脈産業のトップランナーとして、いかにして新たな価値を創造し、持続可能な社会の実現に貢献しようとしているのか、その挑戦の軌跡を紐解く。

企業情報
会社名
株式会社浜田
創業
1969年創業、1973年設立
従業員数
200名(2026年3月現在)
事業内容
産業廃棄物の収集運搬・分別処理、金属リサイクル、太陽光パネルのリユース・リサイクル及び設置工事
100億宣言
https://growth-100-oku.smrj.go.jp/companies/pdf/00439-00.pdf
HP
https://www.kkhamada.com/

 

「家業」から「事業」へ、第二の柱を打ち立てた決意

浜田の歴史は、1969年に電気工事会社の一事業部として始まった。創業以来の主幹事業である金属リサイクルは、資源の乏しい日本において、モノづくりを根底から支える重要な役割を担う。代表取締役の濵田篤介氏は、大学卒業後、システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、1993年に家業である浜田に入社。しかし、当時の経営は鉄スクラップの市場相場に大きく左右される不安定なものであった。濵田氏は、この相場依存の事業モデルに強い危機感を抱き、2003年に代表取締役に就任すると、「自分たちの努力で価値をコントロールできる事業」の創出を本格的に模索し始める。

株式会社浜田 本社外観

転機となったのは、既存の取引先から寄せられた「鉄くずだけでなく、他のゴミも一緒に引き取ってくれないか」という何気ない一言だった。当時、企業のコンプライアンス意識の高まりとともに、廃棄物の適正処理に対する要求は日に日に厳しくなっていた。このニーズこそが、自社の未来を切り拓く鍵になると確信した濵田氏は、産業廃棄物収集運搬業への本格参入を決端。法令遵守を徹底し、顧客の「面倒くさい」を一手に引き受けるサービスは、「浜田に任せれば安心だ」という絶対的な信頼を獲得していった。この顧客の課題解決を起点とする発想の転換こそが、浜田が単なるリサイクル業者から「環境ソリューション企業」へと飛躍する原動力となったのである。

処理困難物への挑戦が拓いた「環境ソリューション」という道

浜田の真価は、他社が敬遠しがちな処理困難物へ臆することなく挑む姿勢にある。その象徴ともいえるのが、有害物質である水銀を含む蛍光灯のリサイクルだ。多くの業者が処理に二の足を踏む中、同社は安全かつ効率的な処理を実現するため、自社で専用の破砕機を開発。回収した蛍光灯は、国内の専門企業との強固な連携により、ガラスや金属部分も含めて95%以上という極めて高いリサイクル率を達成している。

専用の破砕機によるリサイクル作業

この挑戦は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)やアスベストといった、より専門性が求められる有害物質の処理へと展開。さらに、2010年代前半から将来的な課題として顕在化しつつあった太陽光パネルのリサイクル問題にも、業界に先駆けて着手した。研究開発を重ね、2021年8月には「京都PVリサイクルセンター」を開設。トップランナーとしての地位を確立した。2022年には、業界全体の適正処理を推進すべく、自らが発起人となり一般社団法人 太陽光パネルリユース・リサイクル協会を設立するなど、リーディングカンパニーとしての責任を果たしている。
 
これらの取り組みを支えるのが、全国に広がる協力会社との強固なネットワークだ。これにより、地域を問わず均質で高品質なサービスを提供することが可能となっている。廃棄物管理の調査・分析から、煩雑な契約書作成のサポート、従業員向けの環境教育まで、顧客の環境部門を丸ごと請け負うようなトータルサポート体制は、まさに「環境のファーストコールカンパニー」を目指す同社の姿そのものである。

未来への布石、エネルギーと研究開発への飽くなき探求

浜田の視線は、既存事業の深化だけにとどまらない。未来の社会を見据え、新たな事業領域への挑戦を意欲的に続けている。過去の積極的な挑戦の軌跡として、エネルギーソリューション事業の展開が挙げられる。かつて同社は、市場から排出される使用済みの蓄電池を回収・リユースし、工場の非常用バックアップ電源や電動フォークリフト用バッテリーとして再生・提供していた。これは、顧客のコスト削減やBCP(事業継続計画)対策といった経営課題に直接的に応えると同時に、資源の有効活用という環境負荷低減にも大きく貢献する事業モデルであった。
 
さらに、未来のソリューションを自らの手で創出するため、2016年には「ソリューション開発センター(SDC)」を開設。そこでは、次世代の環境ソリューション創出に向けた研究開発も手掛けた。
 
2026年現在、SDCは閉鎖されているが、変化を恐れず新たな事業領域へ果敢に飛び込んだこれらの試行錯誤の歴史は、現在の環境ソリューションを支える重要な土台となっている。
 
また、2026年1月には、非鉄金属リサイクルの高度な技術を持つ株式会社ナカノをグループに迎え入れた。これは、太陽光パネルのアルミフレーム再資源化など、リサイクル技術をさらに高度化させるための戦略的な一手であり、循環型社会の実現に向けた同社の揺るぎない決意の表れと言えるだろう。

太陽光パネルのアルミフレーム再資源化

事業の核は「人」— 20年以上続く新卒採用と、誇りを育む組織文化

「会社の未来は人がつくる」。この確固たる信念のもと、浜田は人材への投資を惜しまない。濵田社長が代表取締役に就任した2003年、業界では極めて異例であった大卒新卒採用に踏み切った。当初は「ごみ屋に大卒は来ない」という周囲の冷ややかな声もあったが、毎年採用を継続。今では社員の平均年齢は30代となり、若手が主体的に活躍する活気ある組織へと変貌を遂げた。
 
2022年1月に移転した現在の本社オフィスは、若手社員が中心となったプロジェクトで設計され、部署間の垣根を取り払った開放的な執務スペースや、自然なコミュニケーションを誘発するバーカウンターが設けられている。また、全社員で会社の存在意義を問い直し、「環境課題を価値に転換し、世界をインスパイアする」というパーパスを策定。これは、日々の業務が地球環境の改善という大きな目標に繋がっていることを社員一人ひとりが実感し、モチベーションを高めるための重要な羅針盤となっている。

本社オフィスでの業務風景

社員の成長を後押しする制度も手厚い。業務に必要な資格取得費用の全額支援はもちろんのこと、外部研修プログラムや通信教育など、個々のキャリアプランに合わせた多様な学びの機会を提供。さらに、ITリテラシーや産業廃棄物に関する独自の社内検定制度を導入し、全社的な専門知識とスキルの底上げを着実に図っている。

「五方よし」の経営哲学と、地域社会との共生

浜田が掲げる経営理念は「誠実・感謝・感動」。その根底には、近江商人の「三方よし」をさらに発展させた、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」「働き手よし」「自然よし」という独自の「五方よし」の信条がある。自社の利益追求だけでなく、事業活動を通じて関わるすべての人々、そして社会や自然環境にとっても善い存在でありたいという強い想いが込められている。

エコ・ファースト企業認定証授与

この理念は、具体的な社会貢献活動にも色濃く反映されている。本社を構える高槻市での定期的な清掃活動「クリーン活動」は、約20年にわたって続く伝統であり、現在も社員の自主参加によって継続されている。
 
また、過去にはその時々の社会課題に応じた独自の取り組みも展開してきた。例えば2014年からは、耕作放棄地を再生して米作りに取り組む「浜田米プロジェクト」を実施し、環境負荷の低減や食育に貢献した。さらに、使用済み携帯電話の回収を通じて被災地に義援金を送る「ECOネクト運動」など、自社のリサイクル事業と関連付けた支援活動も推進していた。
 
このような、個別のプロジェクトにとどまらない全社的な環境保全・社会課題解決への長年の真摯な姿勢が総合的に評価され、2024年、環境分野で先進的な活動を行う企業として環境省から「エコ・ファースト企業」の認定を受けるに至った。

100億円企業へ、次なる成長を支える「仕組み」と「ガバナンス」

創業から半世紀以上を経て、今、浜田は売上高100億円という次なる成長ステージを明確に見据えている。この野心的な目標を達成するため、濵田社長が現在最も力を注いでいるのが、経営基盤そのものの再構築だ。これまでの属人的な経験や勘に頼る経営スタイルから脱却し、より客観的な指標に基づいた経営への転換を図る。その目的は、ガバナンスを強化し、適切に権限を委譲することで、誰もが一定の品質を担保できる強固な「仕組み」を構築することにある。これが持続的な成長には不可欠だと確信しているからだ。
 
組織面でも、次世代へのバトンパスは着実に進んでいる。若手や中堅社員が経営の中核を担い始めている。同時に、多様なバックグラウンドを持つ人材を外部から積極的に登用。組織に新たな視点と専門知識を取り入れることで、硬直化を防ぎ、イノベーションを促進している。今後はM&Aも成長戦略の重要な選択肢と捉え、既存事業とのシナジーが見込める領域で、さらなる高みを目指していく。

株式会社浜田のメンバー一同

挑戦は、未来を創るために

金属スクラップの回収という一点から始まった浜田の歩みは、顧客の声に真摯に耳を傾け、社会の要請に応え続けることで、静脈産業の枠組みを大きく超えた「環境ソリューション企業」へと劇的な進化を遂げた。その道のりは、決して平坦ではなかったはずだ。しかし、同社は常に変化を恐れず、むしろ変化の中にこそ新たな価値創造の好機を見出し、果敢に挑戦を続けてきた。
 
地球規模で環境問題が深刻化し、持続可能性が問われる現代において、浜田の挑戦が持つ意味は、かつてなく大きい。廃棄物の山を資源の山へと転換し、環境課題をビジネスの力で解決していく。その飽くなき挑戦は、これからも着実に社会を、そして世界をインスパイアし続けるだろう。

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