100億企業化
【100億宣言】クリエーティブカミヤ、介護の枠を超え”人生のあらゆる課題”に挑む多角化戦略
2026.04.17
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クリエーティブカミヤ株式会社は、介護用品の販売から始まった事業を、訪問看護、障害福祉、保育、調剤薬局といった多岐にわたる領域へと拡大させている。同社は「あらゆるライフステージの困りごとに、物心両面で寄り添っていく」という理念を掲げ、M&Aも積極的に活用しながら、人が生まれてから最期を迎えるまでのあらゆる課題をワンストップで解決する社会インフラとなることを目指す。創業から現在に至るまでの挑戦、そして5年後の売上100億円達成に向けた成長戦略を紐解く。
- 企業情報
- 会社名
- クリエーティブカミヤ株式会社
- 設立
- 1996年11月
- 従業員数
- 137名(25年5月期)
- 事業内容
- 介護用品製造・販売、福祉用具販売・貸与、高齢者用住宅改修、
居宅介護支援事業、訪問看護、訪問介護、就労継続支援A・B型事業、障害児通所支援、調剤薬局、EⅭ事業 - 100億宣言
- https://growth-100-oku.smrj.go.jp/companies/pdf/00706-00.pdf
- 会社HP
- https://c-kamiya.co.jp/
目次
始まりは一枚の革新的なおむつから
1996年、クリエーティブカミヤの歴史は、創業者である現会長の「現場の負担を、もっと軽くしたい」という強い想いから始まった。当時、大手製紙メーカーで大人用紙おむつの営業部長を務めていた会長は、介護現場で深夜に何度も行われるおむつ交換が、介護される側のQOL(生活の質)を下げ、介護する側の心身を疲弊させている現実を目の当たりにしていた。
「夜につけて朝まで交換しなくてもいい、吸収力の高いパッドがあれば、両者の負担を劇的に減らせるはずだ」。そのアイデアは革新的だったが、組織の中でスピーディーに商品化することは叶わなかった。理想の製品を実現したい一心で会社を辞め、協力工場と試行錯誤を重ねていた時、ある大手総合製紙メーカーとの出会いが訪れる。同メーカーもまた、大人用紙おむつ市場でシェア獲得に苦戦しており、新たな活路を模索していた。両者の想いが重なり、共同出資という形でクリエーティブカミヤは産声を上げた。こうして誕生した日本初となる「夜用長時間パッド」は、瞬く間に全国の介護現場で受け入れられ、同社の揺るぎない事業基盤を築き上げたのである。
介護保険制度を追い風に、サービスの多角化へ
創業から数年、同社は「夜用長時間パッド」を主力商品として、全国の福祉用具ディーラーへの卸販売で着実な成長を遂げていた。しかし、2000年の介護保険制度開始は、同社にとって事業のあり方を大きく見直す転機となる。単なる「モノ」の販売だけでは、複雑化・多様化する介護現場のニーズに応え続けることはできない。そう判断した同社は、福祉用具のレンタル事業や、ケアプランを作成する居宅介護支援事業、さらには訪問介護事業へと、サービスの多角化に舵を切った。
これは、モノの提供から「コト」の提供へ、すなわち、利用者の生活そのものに深く関与していくという意思表示でもあった。おむつ販売で築いた全国の介護事業者とのネットワークを活かし、それぞれの地域に根差したサービスを展開。販売事業で得た安定した収益を、新たなサービス事業へと投資することで、同社は介護領域における提供価値の幅を一層広げていった。この2000年代の挑戦が、現在の多事業展開の礎となっている。
売上20億円から61億円へ、第二創業期の到来
創業から約20年が経過し、安定した経営基盤を築いていた同社に、8年前、現社長が専務として入社する。大手製紙メーカーで首都圏の営業部長を務めていた社長は、創業者である会長から後継者として白羽の矢を立てられたのだ。入社当時約20億円だった売上は、社長のリーダーシップのもと、わずか8年で61億円へと急成長を遂げる。まさに第二創業期とも呼べるこの期間、同社はこれまでの事業領域にとらわれない、大胆な変革を推し進めていった。
社長がまず着手したのは、既存事業の強化と営業エリアの拡大である。長年の縁があった名古屋に支店を開設し、中部地区での事業を本格化。同時に、紙おむつ以外の衛生用品や介護用品の取り扱いを拡充し、販売事業のさらなる成長を促した。しかし、この急成長を支えた最大の原動力は、後述するM&Aを駆使した新規事業への果敢な挑戦であった。安定に安住するのではなく、常に次なる成長の種を探し続ける攻めの姿勢が、企業を新たなステージへと押し上げた。
障害福祉分野への参入、M&Aを成長のエンジンに
「会社を永続させていくためには、介護事業一本足打法ではいけない」。社長は入社当初から、隣接領域でありながら未開拓であった障害福祉分野への参入を構想していた。その転機は3年ほど前、名古屋で就労継続支援B型事業所を運営する会社から事業譲渡の話が舞い込んだことから訪れる。「うまくいかないから事業をたたみたい」という相談に対し、「我々が引き継ぐことで、利用者や従業員の居場所を守れるのなら」と即決。これを皮切りに、同社はM&Aを成長戦略の重要な柱として位置づけ、積極的な事業拡大へと乗り出した。
その後も、岐阜での児童発達支援事業や、静岡での就労継続支援A型事業などを次々とグループに迎え入れた。最近では、2026年3月に藤沢の訪問看護・介護事業所、4月に伊勢原の調剤薬局、5月には岐阜の児童発達支援事業所と、3ヶ月連続でのM&Aを実行。これらのM&Aは、単なる規模の拡大を目的としたものではない。既存事業とのシナジー効果が見込めるエリアや事業領域を厳選し、ドミナント戦略を形成することで、地域における存在感を確固たるものにしている。

※写真:M&Aにより4月1日開設 みこと健康薬局(伊勢原市)
「あらゆるライフステージの困りごとに」理念が導く事業戦略
クリエーティブカミヤの事業拡大を貫く一本の軸、それが「あらゆるライフステージの困りごとに、物心両面で寄り添っていく」という企業理念である。当初、高齢者介護が事業の中心であったが、社長の就任以降、その視野は「生まれてから亡くなるまで」の人の一生へと大きく広がった。
障害福祉分野への参入は、生まれつき障害を持つ子どもたちやその家族に寄り添うため。そして、近年では人材紹介や葬儀紹介、身元保証といった保険外サービスにも着手。これらはすべて、「どこに相談していいかわからない」という人々の隠れた困りごとを解決したいという想いから生まれている。自社だけで完結するのではなく、地域の様々な事業者と提携し、さながら“街のコンシェルジュ”のように、あらゆる相談に応えられる体制を構築していく。この理念こそが、同社の多角化戦略を必然へと変える羅針盤なのだ。
PMIの鍵は「従業員への安心感」、理念浸透への飽くなき挑戦
M&Aを成功させる上で最も重要かつ困難なのが、PMI(M&A後の統合プロセス)である。同社がPMIにおいて最も重視しているのは、グループインした企業の従業員に「クリエーティブカミヤの仲間になってよかった」と心から感じてもらうことだ。そのために、まず着手するのが、退職金制度の導入や各種規程の整備といった待遇・労働環境の改善である。中小企業ならではの不十分な点を整理し、「しっかりとした会社に入った」という安心感を持ってもらうことが第一歩だと考えている。
さらに、社長自らが現場に足を運び、全従業員との個別面談を実施。「会社が何を目指しているのか」「あなた自身が将来どうなりたいのか」を直接対話することで、不安を解消し、理念の共有を図る。歴史も文化も異なる組織が一つになるには、丁寧なコミュニケーションが不可欠だ。こうした地道な取り組みを通じて、従業員のエンゲージメントを高め、グループとしての一体感を醸成していく。この人間中心のアプローチこそが、同社のM&A戦略を支える隠れた強みと言えるだろう。
多様なキャリアパスが、人と組織を強くする
同社が事業の多角化を推し進めるもう一つの理由は、従業員に多様なキャリアパスを提供することにある。介護、看護、保育、リハビリなど、専門職が多く働く同社では、一人の従業員が長く働き続けられる環境を創ることが極めて重要だ。例えば、ある事業で能力が発揮しきれないと感じた時、別の事業部へ異動することで新たな才能が開花するかもしれない。また、結婚や家族の介護などでライフステージが変化し、転居を余儀なくされた場合でも、全国に広がる拠点網の中で働き続けることが可能になる。
実際に、町田の訪問看護師が岐阜へ、リハビリ職の社員が湘南エリアへ、それぞれの事情に合わせてグループ内の別拠点でキャリアを継続した例もある。「優秀な人材が、環境の変化を理由に会社を去ってしまうのは、本人にとっても会社にとっても不幸なこと」。従業員一人ひとりの人生に寄り添い、キャリアチェンジやキャリア継続の選択肢を用意すること。それが、従業員の定着率向上につながり、ひいては会社全体の持続的な成長を支えるという確信が、この戦略の根底にはある。

※写真:ミャンマーからの介護ヘルパー(左: プインサン 中:リン 右: 星野管理者)
5年で売上100億円へ、その先に見据える未来
「5年後に売上100億円を達成する」。これは、社長就任と創業30周年という節目に掲げた、全社で共有する明確な目標である。M&Aと新規事業の展開を両輪で加速させれば、達成は十分に可能だと見込んでいる。そして、その目標を達成した先には、会社の永続性をさらに高めるための次なる一手として、「株式上場」も選択肢の一つとして視野に入れている。
同時に、社長の視線は国内だけに留まらない。先日はベトナムを視察し、海外での事業展開の可能性も探り始めた。もちろん、具体的な計画があるわけではない。しかし、常にアンテナを高く張り、あらゆる可能性を模索し続けることこそが、経営者の責務だと考えている。「中長期的な視点で会社をどう継続させていくか。そのための最適な選択肢は何かを常に考え続ける」。サラリーマン経営者とは一線を画す、オーナーシップを持つ経営者としての強い覚悟が、その言葉には滲む。100億円という通過点の先にも、クリエーティブカミヤの挑戦は続いていく。

※写真:30周年記念パーティーの様子(新横浜プリンスホテル)
まとめ
一枚のおむつから始まったクリエーティブカミヤは、時代の変化を捉え、介護の枠を大胆に超えることで、売上61億円を誇る企業へと成長を遂げた。「あらゆるライフステージの困りごとに寄り添う」という揺るぎない理念のもと、M&Aを駆使して事業領域を拡大し、働く従業員の人生にも多様な選択肢を提供する。5年後の100億円企業へ、そしてその先の永続企業へ。同社の挑戦は、地域社会にとってなくてはならないインフラを創り上げる、壮大な物語の序章に過ぎない。
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