パーパス経営

社員数100名超えたら必須になるビジョナリーか企業づくり

2023.09.01

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A社とB社、ゼロから同一事業(ビジネスモデル)を同時期にご提案してコンサルティングに入らせていただきましたが、

現在、A社は社員が20名弱、一方、B社は100名超え規模と違いが出ました。

 

この差はこれからどんどん広がる流れを感じています。

決して、社員数が10名の会社より100名の会社の方がすごい、とは私は全く思いません。

ただ、単純にこの差がどこから出てくるのかに私自身も非常に興味があります。

 

ちなみに、国のデータによると全国約410万の会社がある中で、

社員50名以上の会社は約3.2%、100名以上の会社になるとその半分の1.6%、300名以上の会社は0.6%しかありません。

明らかに社員数が増えるための壁のようなものがあります。

この壁を超えた会社と超えてない会社の要因は、時流、事業環境、採用手法・・・等々、様々なものが考えられるでしょうが、

本質のところは経営トップご自身の自社への経営課題(役割)の持ち方、捉え方ではないかと考えています。

 

社員数が10~50名ぐらいまでのトップの課題は、事業そのもので、

その事業でいかに集客を上げて、営業し(自らまたは、社員にアドバイスして、売れる仕組みを作って)、

契約を取るかどうか、です。

この規模では社長自らが陣頭指揮を取って事業そのものに関わるべきでしょう

(逆に、このステージでトップが現場から離れてしまっては伸びるものも伸びません)。

 

 

その一方、社員数が50名から100名前後になると、事業そのものはある程度カタチ、仕組み化されつつあるので、

トップの課題は事業そのものから社員、人に移り出します。社員がいかに主体性を持ち、動ける組織にしていくかの課題がテーマになります。

 

逆に言えば、社員数のステージに応じて、トップご自身の経営課題を上手く切り替えられた会社は順調に社員数が増え、成長していくと考えられます。

では、何を切り替えるべきなのか?ということになりますが、

それは一言で言えば「社員がより主体性を持てる」機能、環境がある会社に変えていくこと、ギアチェンジが必要になります。

 

 

 

組織のカベを突破するために必要な取組み(一例)

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では、社員(50名~)100名超えの会社で、社員の主体性を高めるためには、どんな機能が必要なのか?

上図は、社員数のカベに応じて、その壁を超えるために加えていかなくてはいけない企業の取り組みを簡単に整理したものです。

 

社長が対応するべき課題が企業の成長ステージによって変化します。
この変化(視座)のギアチェンジができるかどうかが分水嶺になるようです。

よくこんなことをクライアント企業の社員からお聞きします。

「社長(or上司)は、任せる、任せると言いながら、途中で口を出してきます。それだったら最初から任せなかったらいいと思うことが多いです。」

社員が50名を超えて、100名になろうとしているステージなのに、

トップの気質や会社の機能(器)が社員10~50名時代のままの状態になっていると社員数の壁は超えられません。

トップの気質の問題はこの場では触れませんが、会社の機能(器)を変えないと、

いつまでも組織はトップの考えに従うだけの人の集団になり、社長がいなければ新しい工夫やものが生まれない会社になってしまいます。

 

そのために必要なことは、「社員たちから意思決定が生まれるか」どうかだと考えます。

トップ(上司)の顔色を伺う、下手に追随している意思ではなく、本人自らの、心からの意思決定です。

それが生まれることで社員の覚悟が生まれます。それを組織の文化として定着させているかどうか、が差として生まれるようです。

そのポイントは2つと考えます。

 

 

①トップが事業のプロセスに対しては口を挟まない、挟めない機能(器)にすること。

 

さきほどのある社員の声で「任せる、任せる」と言っても結局途中で口を挟む、無言のプレッシャーを与えることをしない、

できないような機能(器)にすること。ただし、(プロセスには挟まないですが)その結果に対しては、良くも悪くも適正、厳正に評価をします。

具体的には、財務諸表のPLを考えさせて、任せる。事業部毎の独立採算制にして、各事業部の収支をしっかり運用管理させる体制にすることです。

 

 

 

②事業自体ではなく、事業の側面を支援する機能整備に注力をすること。

 

事業自体(プロセス)には、口を挟まないが、事業が成功するための側面機能、

もしくは仮に失敗した時のリカバーできる側面機能にはトップが全力で注力して整えることです。

具体的には、

1)社員がワクワクする10年ビジョンを描き発表する

目先の1~3年ではなく(これは社員に任せる)、5年先、10年先の成長ビジョンを描き、社員をワクワクさせる。

先(5~10年)が見えれば、足元(1~3年)がより明るくなり、モチベーションが上がります。

会社の5~10年先を本気で考えられるのはトップしかいません。

 

2)ファイナンスの最適化

足元の業績は必要なKGI、KPI、収支数値をシームレスにチェックできるようにデータドリブン化させる。

そして、PLは、社員(幹部、役職者)に任せて、BSをしっかりと改善、強化する。

借入枠を増やすことも含めて財務的な安心度を高めることで、事業自体の失敗を恐れずに社員に安心して任せる状況を作ります。

 

3)ガバナンスの最適化

事業自体は完全に任せはしますが、

定期的にレビュー(報告)の機会を設けて口を出さない(これは非常に重要)ですが、目を離さない状況、仕組みを作ります。

 

 

4)人財を育てるための教育体系のバージョンアップ

まずは、幹部、次に役職者、そして一般メンバーと階層別に教育体系づくりに注力する。

それに伴う評価、フォローアップ体制づくりも併せて強化していきます。

上記①②の2つのポイントをトップご自身の重要課題として切り替えることが大切となります。

これは一石二鳥ですぐに実現するものではありません。社員数50名を超えたあたりから切り替えを始めていくことが大切と考えます。

そんなことをしなくても100名規模あたりまで成長するケースをあるかと思いますが、

この切り替えをしている100名とできていない100名では、そこから先の成長度に大きな違いが生まれると考えます。

 

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南原 繁

執筆者名:南原 繁

新卒で入社以来、流通小売業、飲食サービス業、製菓製パン業、地域遊休地開発、観光事業、企業CRE戦略、自動車販売業の幅広いフィールドを通じて、船井流マーケティングの基本ベースを習得する。

30年来低成長が続く国内経済で、持続的成長を続ける中堅企業化の共通要因として、戦略・仕組みの上位概念としてのパーパス(PMVV)が必要不可欠であるという視点で、中堅・大手企業に特化した総合コンサルティングサービス構築を進めている。

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