パーパス経営
変化をするために聖域にメスを入れる~100 億企業の道~
2022.12.23
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先日、日経MJの記事に、
百貨店の松屋が呉服売り場を冷凍食品売り場に変えたという記事をみました。
百貨店は呉服屋が祖業の企業と電鉄系の企業がありますが、
松屋は呉服屋が祖業です。
その祖業をついに撤退したことは、
社内でも相当の議論があったことでしょう。
まさに聖域にメスを入れ、
次の成長に対しての覚悟を社内外に発信したと言えるでしょう。
我々が知る 100 億企業も
成長の過程においていくつもの聖域にメスを入れながら、
成長してきました。
本コラムでは理念・事業における聖域についてお話ししたいと思います。
■理念・パーパスという聖域
創業 100 年を迎えた企業の社長から、
「新しい成長をするためには、抜本的な改革を実現する必要があり、
そのためには理念から見直す必要があると思いますが、どう思いますか?」
と相談を受けました。
この会社の理念は初めてお会いした私からみても、
その社長からは到底出てこないであろう言葉で表現されていました。
その社長は
「先代の社長が 100 年かけて築いた重みがある理念を変更してよいのか分からない」
と相当迷われていました。まさに聖域です。
ただ、この社長はすでに先代社長の経営手法を 10 年実施し、
右肩上がりの成長を実現していました。
私は次の 100 年の成長意欲があるのであれば、
「現社長の言葉で次の 100 年を示す理念を策定したほうが良いと思います」
とアドバイスしました。
その企業は 1 年以上かけて過去 100 年を振り返り、
次の 100 年成長をイメージして新しい理念を策定しました。
■祖業という聖域
数十年続いている祖業がここ数年市場環境が悪化し、
赤字になっている企業もあるではないでしょうか?
何もここ数年赤字だからすぐに徹底しましょうという話ではなく、
進むか撤退するかの基準を心の中で考えてしまうと、
この聖域にはメスを入れることはできません。
ここでのアドバイスとしては「撤退基準」を明確に決めましょうということです。
例えば、これから 2 年間の実施事項を決めて、
それでも赤字が続いたら撤退する。
やはり人は情があるので、中々厳しい決断はできないものです。
なので、上記の様な撤退基準を事前に決めて発信することが重要です。
■先代からの取引という聖域
先代からの取引条件が変えられず、
注文がくればくるほど赤字になる顧客を抱えている企業もあるのではないでしょうか?
もしくは、
お付き合いで効果の薄い取引を継続している企業もあるのではないでしょうか?
この手の話も聖域として扱われることが多く、
中々改善をすることができないケースが多いです。
もちろんお付き合いから生まれる縁もありますので
一概にすべてを見直すことは難しいかもしれませんが、
まずは検討の土俵に上げて社長一人で検討するのではなく、
経営陣で議論するところから始めてみてはいかがでしょうか?
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