パーパス経営

4月からの新年度計画づくりに向けた計画の視点~パーパス編~

2023.01.30

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今回は前々回よりお送りしておりました、「新年度計画づくりに向けた計画の視点」
シリーズの最終編をお送りいたします。

 

テーマは今話題の「パーパス」をテーマにしていきたいと思います。
4 月からは新入社員の方が入社する等、人材の流動性が増す時期となります。
「この会社でずっと働きたい」と思ってもらえるような会社にするためにどのようなことをしたら良いのでしょうか?

 

新年度計画づくりをしていくにあたり、会社に対するエンゲージメントを高め、
定着率を上げる手段の一つとして挙げられる「パーパス」という観点でお話をしていければと思います。

 

パーパスとは

まず「パーパス」という言葉についてです。

 

最近、パーパスという言葉が良く使われるようになってきました。
パーパスは、日本語訳すると「目的、意図」と訳されますが、
ビジネスにおけるパーパスとは「企業の社会的な存在意義」という意味合いが強いです。

 

2010 年代後半から、アメリカでパーパスという言葉に注目が集まり、
最近は日本でも時々聞くようになってきております。

 

パーパスという言葉に類似した言葉として、ミッション・ビジョン・バリューという
言葉があげられます。それぞれの違いについて以下に記述いたします。

 

パーパス 自分たちが最上位で大事にしたい信条。なぜ社会に存在しているのか。
Why
ミッション
企業が果たすべき使命。何をするべきか。
What
ビジョン
パーパス・ミッションを追求した将来像。いつまでにどういう姿になりたいか。
When, Where
バリュー
上記を実現するための企業の価値観や行動指針。どのように実現するか。
How

 

上記の概念はそれぞれが別個に存在しているわけではなく、繋がりをもった概念となります。
戦略・戦術・戦闘という言葉もありますが、パーパス・ミッション・ビジョン・バリューという
上位概念を追求するための下位概念として繋がりを持っています。

 

そのため、経営計画を策定する際は、上述の上位概念・下位概念の関連性を考えながら構築していく必要があります。

パーパスの重要性

続いてなぜパーパスが重要視されているかについてお話をいたします。

 

2015年に SDGs (Sustainable Development Goals)が国連で採択されました。

 

日本語訳すると「持続可能な開発目標」となります。世の中には貧困、紛争、気候変動、
自然破壊、差別などの社会問題が存在していますが、これからも人類がこの地球で暮らし続けていくためには、
それらの課題を各国が共通の課題と認識して協力しながら解決していかなければなりません。

 

それらの課題を17個のゴールに分けて目標設定をしたものがSDGsになりますが、
SDGs と重ねてパーパスについて考えるケースも少なくありません。
「なぜ社会に存在しているのか」をパーパスとして考える際に、 SDGs であげられた
社会的な課題が結びつくことがあるためです。

 

勿論、パーパス(Why)が存在し、そのパーパス(Why)を追求することで
SDGs (What)を実現できるという順序で考える必要があります。

 

さらにESG(環境・社会・ガバナンス)も注目されています。
SDGsであがるような世界的な社会課題が存在する中、ESGの観点を考慮しながら経営することができない企業は、
投資家などからの評価が損なわれてしまうリスクがあると言われています。

 

近年、ESGに配慮した企業に対して投資を行うというESG投資が注目されていますが、
GSIAによる世界のESG投資額の調査によると2012年から5年で3倍投資額が増え、約3,100兆円の投資額があると言われています。

 

消費者単位では、「エシカル消費」が注目されています。
消費者が自分自身の欲望を満たすだけに消費をするのではなく、人・社会・環境に配慮した消費行動をする動きが出てきています。

 

環境や社会にとってより良い商品を展開する企業に注目が集まるようになってきています。

 

人財市場においては、上述の SDGs ・ESG・エシカル消費などが一般的になっていく世の中で育った方が中心になっていきます。
就職・転職をする際に、企業が社会や環境に対してどのように考えてビジネスをしているかを重視する方が増えていきます。

 

また、終身雇用制度が当たり前では無くなりつつある現代において、人材の流動性が高まってきております。
同じ会社でずっと働くのではなく、自分がやってみたいと思うことを実践することができる企業を探すケースも増えてきています。

 

いよいよ、その企業で働く意味やその企業の存在意義がより問われる時代になってきているのです。
つまり、世界的・社会的な流れを受けて、これからの経営の在り方が問われている昨今では
パーパスを考えざるを得ない状況になってきているのです。

パーパス経営を進めるために

これから益々パーパスについて考えなければならなくなります。

自社が何を大事な信条として経営し、社会的な存在意義が何なのかについて早期に考えていく必要があります。

 

また、出来上がったパーパスを社内に浸透させなければ絵に描いた餅で終わってしまいます。
経営者、自社でパーパスについて考えることも重要ではありますが、
第三者と自社のパーパスについてディスカッションをすることで見えてくることもあるかと思います。
今こそ、会社経営の在り方について哲学してみてはいかがでしょうか?

 

今回は「パーパス」という切り口で「4月からの新年度計画づくりに向けた計画の視点」に関するお話をさせていただきました。
第一弾「人事編」、第二弾「新規事業編」、第三弾「パーパス編」でお送りさせていただきましたので、
こちらのシリーズをお楽しみいただければ大変幸いであります。

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青木 直哉

執筆者名:青木 直哉

船井総合研究所に新卒で入社後、住宅不動産会社向けのコンサルティングに従事し、

年商3億から600億円の企業の業績UPに尽力してきた。

徹底的な競合・市場・自社分析を元にデータドリブン経営を展開し、

既存ブランドの活性化だけではなく、新ブランド開発や新市場開拓を推進し、

集客戦略・営業戦略の構築と実行支援を展開している。

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