パーパス経営
ビジョンに白けている組織と共鳴している組織の違い
2023.05.24
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目次
低成長時代でも伸び続けるB社は何が違うのか?
売上規模や社員数の多さだけが企業の良し悪しの判断軸ではありませんが、
私どもは「良い会社(組織)であり続け、世の中に良いことをし続けている会社には人(社員、顧客)が集まり続ける」という考えのもと、
「組織のカベ」を超えて、100名超え、300名超え、1000名に近づける企業は何が違うのか?を研究、整理し、お伝えしております。
全国350〜400万社あると言われる中、100名超え企業(準・中堅企業)は1%、300名超え企業(中堅企業)は0.3%、1000名超え企業(大企業)は0.1%です。
加えて、この構成比は、日本経済が右肩上がりに成長していた余韻が残っていた西暦2000年までに
そのライン(100名超え、300名超え)に達している企業も多数に含まれていると考えられます。
それらの企業を除けば、その比率はさらに低いと推察されます。
そんな中、西暦2000年以降の国内の低成長時代にも関わらず、その時点で社員数50名足らずだった中小企業が、
社員100名、300名と持続的成長を続けている組織になっているところは、「ミッション・ビジョン」に特徴があることがあります。
そしてそのビジョンに共鳴している組織体が築かれているようです。
そうした企業の「ミッション・ビジョン」は端的な表現で申し上げると“分かりやすい”です。
別の表現では「ミッション・ビジョン」が”生きている“感じがいたします。
今回は私どもが考える、生きるビジョンになるかどうかを見分けるポイントを3点、以下に整理させていただきます。
①「ビジョン」と「中期計画(中計)」を分けて策定し、その2つをつなげている
よくありがちで、よろしくないと思われるビジョンが、単に中期計画(中計)の積み上げ式で策定しているパターンです。
過去から現状の分析、そこから数年後を予測した“線形の”事業計画を立てることは、経営上、大切なことですが、
それで伸びるのは市場が右肩上がりの時代までです。
また、中計を昨対伸長率から単純に引き伸ばしただけの希望的観測的な計画(例:「毎年130%成長、3年で2倍」)のパターンも散見されますが、
そうした計画はどこか無機質で、社員の心を躍らせる“生きるビジョン”になりません。
中期計画と一線を画し、バックキャスト思考で、経営者(陣)による自社の理念・ミッション、“強い意志・パッションに基づいた野心的なビジョンを描くことが必要かつ重要です。
元来、経営者と社員・中間管理職メンバーとでは、立場の違いから“見えている景色”も違うはずです。
ですから、こうした野心的なビジョンは経営者(陣)にしか描けません。それが経営者(陣)の重要な役割、責務の一つになってくると思います。
②PMVV(理念、ミッション、ビジョン、バリュー)がつながり、ストーリーになっている
上記の図、A社とB社のPMVV(※)の比較ください。
A社は、P(理念)とM(ミッション)とV(ビジョン)とV(バリュー)の一つ一つは、明確に言語化されてはいますが、
それぞれのつながりが分かりにくく、ストーリーになっていません。
「P:三方よし」と「M:地域に貢献する」と「V:10年後、50拠点、200億、300名」がどうつながっているかが一見するところ“?(分からない)”です。
一方、B社はPMVVの一つ一つが明確に分かりやすく、つながっています。
「家族の団らん」という一つのワードでPとMとVとVのつながりが分かりやすく、ストーリーになっています。
また、B社の特徴で合わせて併記させていただきたい点がございます。
B社は、ビジョンというものを「10年後、社員300名、50拠点、200億円!」という単なる数字を掲げるものとして考えていないようです。
ビジョンを掲げるものとしては考えず(掲げてもそれに鼓舞されるのは一部の人のみ)に、ビジョンを「社員と企業がともに一緒に歩む長い道(旅)」として考え、
PMVV一式ワンセットがビジョン(広義のビジョン)であると捉えています。
例えば上図に基づくと以下が、B社のビジョン(PMVV)になります。
私たちの会社は、
『家族の団らん』には人を幸せにする力があると信じています。
だから、私たちは、
『家族の団らん』を地域社会に広げることを行動使命にしています。
だから、私たちは、
それらをとことんやりきった10年先には『家族の団らん』を実現する会社と言えば、当社を思い出してもらえるような状況が実現すると信じています。
これらが実現すると、年商200億円、50拠点、社員300名ぐらいの規模になっています。
だから、私たちは、
日々、『家族の団らん』を提案するプロになるために、自己研鑽に励んでいます。
私たちはこんな会社です。
上記のB社のようにPMVV(広義のビジョン)がつながっている、ストーリーになっていることが“生きるビジョン”になるためには必要です。
③目的(理念、ミッション)にコミットする〜手段にこだわると変化対応に弱くなる〜
持続的成長を続ける中堅企業のB社は、経営者(陣)が目標(事業計画の数値)にコミットする以上に目的(理念、ミッション、PMVV)にもコミットしています。
当然、企業は勝ち負けの競争です。勝たないといけませんので、目標へのコミットは必須事項であることは言うまでもありません。
その点を大前提にして、目的へのコミットを明確に強くお持ちです。
また、組織は「手段(自社事業、商品)にこだわり過ぎると変化対応に弱くなる」と言われています。
ついつい目標だけに引っ張られ過ぎがちになりそうですが、B社は一種の「バランス」感覚が絶妙と言えるかもしれません。
自社の既存(中核・主力)事業をより盤石な形に”勝ちパターン“化することに注力する一方で、
自社の目的(PMVV)追求のために制約無しに様々な可能性(事業、取組み)を真剣に追求されて、それをビジョン策定に反映しています。
以上、「ビジョンに白けている組織と燃えている組織の違い」についてポイントについて整理させていただきました。
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