新規事業策定
【脱・地域内シェア発想】地方中堅企業の新規事業の探し方は「地域内サイフ発想」
2023.04.24
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目次
最近伸びている業種・業界の特徴は「小規模乱立業界の覇者」
成熟業界でも、業績が伸びている企業や事業の特徴を見ると、「小規模乱立業界」に位置している場合が散見されます。
船井総研が主に関わる業種業界のうち、小規模事業者が80%以上を占める小規模乱立業界に位置するのは、
不動産業(97.8%)
建設業(95.9%)
飲食業(87.3%)
小売業(84.4%)
などと言えます。
なぜ、小規模乱立業界で、業績が伸びている企業が続出しているのでしょうか。
市場規模は一定で、事業者数は減少よって、1事業者あたりの売上は増加傾向
答えは非常にシンプルで、需要である市場規模は大きく減少していないor一定程度に対して、
供給である事業者数が減少している、という状況が起きております。
例えば、下記の「菓子小売(製造小売)」の事業所数と販売額の推移を見ると、
連動して減少傾向に見えて、実は1事業所あたり販売額は増加傾向にあり、一部の強い事業所に販売額が集まっているようです。
例えば、どういうことが起きているのでしょうか。
小規模事業者(従業員数5名以下)の多くが「夫が社長で奥さんが経理担当者そして母親が事務員」というような
「三ちゃん企業」のケースが多く、事業承継ができないor倒産などで、事業所数が減少しているようです。
下記表4、企業規模別の倒産件数の推移を見ると、倒産件数自体は緩やかな減少傾向ではあるものの、
小規模の倒産は年間約8~9割・約7,000~8,000件の倒産が発生しています。
いまがチャンス!
地域内シェア発想ではなく、地域内サイフ発想で「次の経営者へバトンをつなぐ」
成熟化する日本市場において、もはや小規模では立ち行かない、ある程度の企業規模が無いと外部環境の変化に耐えられません
船井総研では、地域密着の中小企業は「県内トップ1%である100億企業化を目指すべきだ」とお伝えしております。
100億という規模を目指すのではなく、次の時代も社員やその家族、お客様を守るためにも、100億を目指さざるを得ないのです。
一方で、地域密着しながら1事業だけで100億を実現している会社は一握りです。
人口減少し、成熟化する市場では、市場が縮小し競合事業者が減少するため、
既存事業の売上を維持できれば自然と高シェアは実現できてしまいます。
よって、地域内シェア発想だけでは、100億化は困難を極めます。
そこで提案するのが、「地域内サイフ発想」です。
「地域内サイフ発想」とは、その地域に住む人のサイフをどれだけ自グループが握れるか?という発想です。
つまり、自グループで衣(移)・食・住などのサービスを展開するコングロマリット企業化をします。
特に狙いたいのが、冒頭お伝えした「小規模乱立業界」で、新たな付加価値を生み出している事業です。
例えば、「コインランドリー」は、最近急増しておりますが、背景としては「共働き世帯の増加に伴う休日大量洗濯需要の増加」
「技術の進歩に伴う布団や靴など、従来洗濯ができなかったマーケット開拓」そして、「クリーニング店の減少」が上げられます。
「地域内サイフ発想」で新規事業を多面的に展開されるのが、和歌山県の「岩本石油グループ(I・Wホールディングス)」です。
バトンを受け継いだ4代目新社長は、中核のエネルギー事業だけでなく、
4つの新規事業(フィットネス・コインランドリー・リノベーション・ドローン)を立ち上げ、
4年でグループ過去最高益を実現しております。
岩本社長は「お客様のサイフは一つ。喜んでいただけるように事業を展開したい」とおっしゃっておりました。
いつでもバトンタッチできるように準備を進め、企業価値を高める
表4のように「事業承継ができない」「倒産することになった」と後の祭りにならないように、
経営者自身がこの会社の中長期計画である100億ロードマップを立て、どのタイミングでなにをすべきかを、
事前に棚卸し、これからの道筋を立てたほうが、回り道せず最短でゴールが目指せます。
次の10年も会社が存続できるように、新規事業を探索しながらも、経営基盤を固め、
いつでも次の経営者へバトンタッチできるように備えることをおすすめしております。
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