新規事業策定

4月からの新年度計画づくりに向けた計画の視点~新規事業篇~

2023.01.26

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今回は前回に引き続き、「新年度計画づくりに向けた計画の視点」シリーズをお送りいたします。
第二弾としまして、「新規事業」をテーマにしていきたいと思います。
事業計画を作っていく中で既存事業が成長していくイメージが湧かないという方も多いのではないでしょうか?

 

人口減少が進み市場が縮小していく中で、現状維持を目標とすると市場の縮小とともに
既存事業の成長率は鈍化していき、伸び率がマイナスになってしまいます。

 

そのような現状を打開するための一手となる「新規事業」について焦点を絞ってお話したいと思います。
新規事業を選ぶ際に重要な3つの観点をご紹介します。
 

事業収益性

まずは、「事業収益性」に関してです。
事業について考える際に最初に挙がってくる観点としては、事業収益性になるかと思います。

 

新規で事業を考える際は、1.市場成長率(その市場が成長する市場なのか)がまずは重要となります。
衰退していく市場に参入して収益を上げていく事は非常に難易度が高いです。
そのため、基本的にはその市場がこれから成長していくものなのかを見極める必要があります。
一瞬のブームに流されないように気を付けなければいけません。

 

そして、2.利益率も重要です。
営業利益率がどれくらい見込めるのか?粗利率がどれくらい見込めるのか?を考えていく必要があります。
そのために、具体的に何にどれくらい費用が掛かるのか?どれくらいの人員が必要なのか?
を考慮して事業計画を策定する必要があります。
時間軸を意識しながらいつまでにどれくらいの利益を見込むかを考えていく必要があります。

 

最後に、3.安定性も重要な要素となります。
1.市場成長率と2.利益率でも一部紹介いたしましたが、
その市場がこれからも成長していくものなのか?いつまでにどれくらいの利益が見込めるのか?ということです。

 

勿論、変化が激しい昨今ですから完璧に未来を計算することはできませんが、
その事業がある程度計算できるビジネスモデルになり得るかを意識する必要があります。
事業内容にもよりますが、その事業を新市場に展開できるか?
商品・サービスの幅を広げて拡大していけるか?も想定していけると尚良いかと思います。

地域密着度

続いて「地域密着度」です。
中堅・中小企業が大企業と差別化をしていくうえで存在している考え方の一つです。
事業内容にもよりますが、資本投下をしていく際に、全国を対象に事業展開をする場合、
資本力がある大企業と競い合うことになり、非常に厳しい戦いになってしまいます。

 

そのため、地域に根差して資本を集中投下する方が、効率が良くなります。
地域で本業のシェア率を高めて存在感を示していき、
多くのお客様から必要とされる存在になっていれば次の新規事業も展開していきやすいです。
その際に、“地域ならではの魅力”があり、地域をより良くできる事業であると更に良いかと思います。

 

当社のクライアント様で、地域密着コングロマリット構想を推進されているケースがございます。
具体的には、地域の「持続的で最適な“移・食・住”」実現に繋がる事業を検討し、
その地域内での快適なモビリティライフを支える事業(移)、暮らしを彩る食を提案する事業(食)、
快適なライフスタイルを提供する事業(住)で、包括的に地域貢献できることを意図していらっしゃいます。

人財吸引力

最後に「人財吸引力」についてです。
新規事業を展開していく際に、新規事業を展開することで今まで以上に人財の採用がしやすくなるかを考える必要があります。
既存事業が若い人財から不人気な事業である場合、採用が思うようにいかないということが考えられます。
その際に、人気業種の事業や若者から好印象な事業を新規事業として展開することで採用力が強化されます。

 

新規事業入口で採用の導線を作り、既存事業に配属することも可能になります。
適正に応じて新規事業に配置することも考えられますが、
優秀人財が既存事業に回っていく構造を確立することができるようになります。

 

また、既存事業で離職を検討している社員が新規事業に異動するというケースも想定されます。
グループ間で人員異動が可能になることで優秀人財の流出を防止することにも繋がっていきます。

まとめ

上記の①事業収益性、②地域密着度、③人財吸引力を意識して新規事業を検討していけると良いのではないでしょうか?

 

注意しなければならないことは、 ①、②、③を検討する際に、この事業をすれば必ず成功するという事業は無いということです。
各企業様によって、強み/弱みが異なりますし、市場性・競合性も異なってきます。
それらを加味しながら新規事業を検討していく必要があります。

 

今回は「新規事業」という観点でお話させていただきました。
売上100億円企業への成長を目指す経営者の方は、是非、新規事業という視点も考慮して計画策定を進めて、
持続的な成長を実現して頂けたらと思います。

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青木 直哉

執筆者名:青木 直哉

船井総合研究所に新卒で入社後、住宅不動産会社向けのコンサルティングに従事し、

年商3億から600億円の企業の業績UPに尽力してきた。

徹底的な競合・市場・自社分析を元にデータドリブン経営を展開し、

既存ブランドの活性化だけではなく、新ブランド開発や新市場開拓を推進し、

集客戦略・営業戦略の構築と実行支援を展開している。

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