新規事業策定

多角化経営の成功事例: シティプラスホールディングス様

2024.09.17

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シティプラスホールディングス様は、愛媛県新居浜市を拠点に土木・建築、不動産、介護など多岐にわたる事業を展開しています。
1959年に創業した白石建設工業株式会社から始まり、2015年のホールディングス化を経て、地域社会との深い結びつきを背景に多角化を進めてきました。
本稿では、同社がどのようにして事業の多角化を成功させたのか、これまでの道のりとその背景について解説します。

地域に根ざした多角化戦略

2012年、建設業は厳しい状況にありました。この厳しい環境下で同社は、新たな収益源を模索し、さまざまな新規事業に挑戦することを決意しました。撤退を余儀なくされることもありましたが、その中でも成功した事業は会社の成長を大きく牽引しました。たとえば、2012年の売上30億円が2021年には97.8億円にまで成長したことは、その一例と言えます。

新しい事業を展開する上で、シティプラスホールディングス様は一貫して地域密着の視点を持ち続けました。地元で新規事業を立ち上げることで、相乗効果を最大化しやすくなり、地域社会への貢献も強化されました。これは、同社がエリア展開よりも、地域内でのサービス多様化に注力する戦略を取った結果です。

シティプラスホールディングス様の成功の背景には、長年築かれてきた地域ネットワークの存在があります。このネットワークは、古くからの社員と彼らの専門知識に支えられ、地域のニーズに応じた事業展開を可能にしました。地域社会との優れた関係が、多角化を進める上での強力な基盤となっています。

太陽光発電事業による新たな収益源の確保

2012年には、太陽光発電事業に参入しました。FIT(固定価格買取制度)の導入をチャンスと捉え、土木建築のノウハウを生かしたこの事業は、ピーク時に10億円の売上を達成しました。この事例は、既存のノウハウを活用しつつ新しい分野に挑戦するという、同社の成功パターンを象徴しています。

民間建築事業の強化戦略

2015年には、民間建築事業の強化に取り組みました。新居浜市は製造業が盛んな地域であり、工場・倉庫建設に特化するサイト「LOWCO」を立ち上げました。これにより、設計施工の割合を増やし、競争入札に頼らない事業モデルを確立しました。

若手人材の育成と営業体制の改革

新規事業の展開には、若手の力も重要です。シティプラスホールディングス様は、競争入札に頼らない積極的な営業体制へとシフトしました。20代、30代の若手メンバーを育成し、営業を強化することで、新たな市場開拓に成功しています。これにより、お客様のニーズを直接満たす提案が可能となり、事業の成功に繋がっています。

住宅販売事業へのBtoC展開

2017年には住宅販売事業に参入しました。これまでBtoB中心の事業でしたが、ローコスト住宅事業を通じてBtoCへの展開を図りました。手頃な価格で高品質な住宅を提供することで、地域社会から支持を受けることができ、現在では、第2ブランド「SUGOMORU」の拡大も進めており、安定した成長を見込んでいます。

障がい者支援事業への転換とシナジー効果

2019年には、介護事業から障がい者支援事業へと転換しました。この転換は、地域ニーズに応じた新しいビジネスモデルの導入として成功しました。障がい者グループホームを通じて、社会的課題の解決と本業である建設事業とのシナジー効果を実現しました。

土地分譲事業と空き家再生の新規事業

2022年には土地分譲事業に着手し、新居浜市内で分譲地を開発し、ハウスメーカー向けに販売する事業を展開しました。また、地域の課題にも対応するため、空き家再生事業を開始しました。中古物件をリノベーションし、新しい需要を喚起することで、地域の住環境改善に貢献しています。

多角化によるメリットとデメリット

①経営基盤の安定とチャレンジの可能性

多角化の最大のメリットは、経営基盤の安定化と新たな挑戦がしやすくなることです。シティプラスホールディングス様は、多種多様な事業を展開することで、業界の好不調に左右されず、リスクヘッジを実現しています。特定の業界に依存しないため、全体のバランスを保ちながら新しい事業へのトライが可能です。これにより、状況に応じた柔軟な対応ができる経営体制を構築しています。

②人財の集まりやすさと組織の若返り

多角化戦略により、『まちづくり』という理念が地域に浸透しやすくなった結果、求職者・在職者の数が増加し、組織の若返りも進んでいます。地域密着型企業として、エンゲージメントを高め、共感を得やすくしたことで採用にも困らない状況が生まれました。多様な事業展開により「色々なことが実現できる会社」として認知され、社員たちのモチベーション向上にもつながっています。

③”まちづくり”の理念と広範な事業展開

土木・建設からスタートしたシティプラスホールディングス様は、地域に根付く不動産、建築、農業、介護など多岐にわたる事業を展開しています。その結果、地域社会に対する貢献がより広範囲にわたるようになりました。このことは、地域や社会に対する責任感を社員一人ひとりに持たせる大きな要因となっています。事業の広がりとともに、会社全体としての”あり方”も理想に近づいてきています。

まとめ

多角化には多くのメリットがありますが、苦戦する事業もないわけではありません。それでも、複数の事業を持つことで、全体としてバランスを保ちながら継続的な成長を実現しています。
展開している各事業は途中で高収益事業にリニューアルされており、新しいチャレンジを望む社員には積極的にチャンスを与えています。
シティプラスホールディングス様は、「まちづくり企業」として、売上・利益を追求しながら、より一層成長を目指しています。将来ビジョンに向けて会社一丸となり、一歩一歩新たなステージへ邁進していく姿勢をこれからも応援していきたいと思います。

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執筆者名:アカウントパートナー室

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