人事組織
100億企業を目指すうえでの『人事』の落とし穴
2022.12.09
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1.多くの経営者がまだ気づいていない『人事』の落とし穴
ここ最近、
多くの経営者の方から事業・組織成長に伴う人事戦略についてのご相談をいただきます。
事業成長を目指すうえで、
「人」の取り組みは避けては通れません。
むしろ成長意欲の強い経営者ほど
「人」の取り組みに対して力を入れていきたい
という方が多い傾向にあります。
その一方で、
取り組みに対して「戦略的・計画的」
に取り組めている企業は多くはない印象があります。
戦略的・計画的というのは、以下の 3 点を抑えたものと考えています。
①事業戦略や財務戦略を踏まえた組織図づくりと採用計画
②組織成長に伴う人事制度や評価・給与制度のブラッシュアップ
③事業・組織成長を実現するための人財育成計画
そして、これらを計画・実践するうえで必ず取り組む必要があることがあります。
それは、人財開発室の立ち上げです。
組織の規模が大きくなるにつれて、
人事部のような部署やそういった業務担当を配置していきます。
しかし、
多くの企業の人事部はどこか社内の雑務的な要素や代理店含め
業者とのやり取りに多くの時間を費やしているように見えます。
このままでは、
いくら夢のある事業計画を描き、財務の観点で道が見えたとしても、
成功確率は上がらないでしょう。
なぜなら、人事を戦略的・計画的に考え、取り組めていないからです。
2.人財開発室が取り組む目標と KPI
では、人財開発室はどんなことが求められるのか、
少なくとも 4 つの KPI(重点項目)があります。
①年間採用数
②生産性
③定着率
④昇進率
上記の4つを人財開発室として追いかけていく必要があります。
また、4 つの項目はすべて連動しています。
いくら採用数の目標を達成したとしても、
生産性が劇的に下がってしまえば利益は見込めないでしょう。
生産性が高い組織だとしても、
採用や定着がうまくいかなければ組織の成長は鈍化します。
また、昇進率(例:主任⇒課長・店長など)が一向に進まない場合、
多角化・多店舗化は計画通りいかず、事業計画は絵に描いた餅になります。
実際に私のご支援先についてご紹介します。
その企業は、
大分県で不動産賃貸業を中心に複数の事業を展開している売上約 20 億、
社員数約 170 名の HD 会社です。
船井総研がご支援する前(約 10 年前)はまだ売上・社員数も今ほどはなく、
人財開発室のような部署はありませんでした。
しかし、
将来的に自社から経営者を多く輩出できるような企業を目指していく経営方針のもと、
「人事」にも注力する必要があると考えました。
そこで、HR グループという人事の部署を設立しました。
当初は新卒採用を中心に取り組む部署ではあったのですが、
事業計画を達成するうえで人財開発室として何をするべきかを整理し、
今では採用だけでなく
入社前教育・入社後教育・階層別教育・フォロー面談などの取り組みを
網羅的に行っています。
その結果、
採用数達成のための採用活動ではなく、
事業計画のもと自社の求める人物像に合い、
かつ適切な採用数(質・量ともに合格)な採用活動を行っております。
その証拠に新卒 1 年目の生産性は年々上昇しており、
新卒 1 年目の新人賞受賞者の生産性は 5 年前と比較して163%も上昇しました。
さらに今年、
最年少で店長になった超優秀スタッフをその部署に配置転換したことで
今後更なる人財育成にも期待ができます。
3.永続的維持発展する組織づくり
売上100億円を目指す、社員数300名の組織を目指す、
これらを掲げるほとんど多くの経営者が目指している企業の姿に
「永続的維持発展」する企業があります。
そして、そういう想いがある企業は、
戦略的・計画的に人事施策を取り組める体制づくりと重点項目・指標が必要です。
最初は人事担当・採用担当スタッフを中心とした体制でも、
中長期的に目指す体制として本コラムが何か参考になればと思います。
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