人事組織

【「人的資本経営」実現企業レポート③】年間50名以上を採用しながら離職率7%実現のマネジメント施策

2023.06.23

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船井総合研究所 HR支援部の宮花宙希です。
「人的資本経営」は、上場企業はもちろん、中堅企業を目指す企業にとって、より求められる時代になりました。
しかし、具体的施策のイメージが難しいため、本コラムを通して実際に推進している企業をご紹介します。

 

今回は、人口約8万人の三重県名張市を中心に多数事業所を持つ「社会福祉法人 名張育成会」様の取り組みです。
2022年には事業収入28億円、現在では職員490名と大規模の組織マネジメントをされています。
福祉関係は採用が難しく、定着率に課題を抱える法人が多い中で、年間約50名以上の採用と離職率約7%と「人的資本経営」をまさに体現されています。
1972年に設立、児童・成人の自立支援を行う「名張育成園児童寮」を開園されました。

 

「だれもが人として大切にされ地域で自分らしくいきるために私たちは利用者はじめだれからも信頼される支援を行い、
安心して暮らせる地域社会の実現に貢献します。」
を基本理念に事業を展開されています。

人財ポリシー

「~あなたの笑顔と誠実さを活かし、輝ける職場を目指して~」
採用が難しく、職員の定着に悩まれることが多い福祉業界で、なぜ採用も社員の定着も上手くいっているのか?

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まず注力したのが、採用の見直しです。
人手不足の福祉法人も多い業界ですが、適正な人員が獲得できていないと、サービス品質の低下を招いたり、
既存職員への負担が増えてさらなる離職につながります。
人が採用できる正しい採用手法の選択と投資を行うことで、採用強化を図りました。

 

つぎに育成として、職員の成長をサポートする様々な研修を実施しています。
名張育成会様では、職員一人ひとりが自身のキャリア目標を持つこと、それを支援する制度(マネジメント施策)に非常に力を入れています。

職員のキャリアパス

現場で働く職員にとって、将来に希望が持てない…キャリアイメージがわかない…という悩みはつきものです。
名張育成会様では、職員が自身の目標に沿って専門性や管理能力を高める道筋をつくることに注力されています。

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キャリアパスを示すだけではなく、「キャリアシート」を活用して自身の今後のキャリアに対して、
目標を持ち、そのために何をすべきか、上長などの周囲の評価はどうか?を明確にしています。

職員の成長と支援制度

法人として明確なキャリアパスと、個々人のキャリアシートの運用だけではなく、
本人の成長ステージに応じた、研修プログラムが非常に充実しています。

 

取り組まれている内容の一例をご紹介します。
下記の他に介護職員向けに対する研修など専門性を高める支援もあります。

 

■採用時
・採用時研修
・感染症研修、口腔ケア研修、人権研修、安全衛生研修、救命救急講習

 

■一般職員
・一般職員研修
・ビジネスマナー研修

 

■役職者
・新昇任時研修
・指導職研修
・管理職研修

 

管理職向けの研修プログラムを通じて特に意識されていることです。

 

①管理職の役割を理解し、実践する
→毎月の理事長の講話やワークを通じて、管理職に求められることを理解する

 

②事業の数値理解と意識の向上
→毎月ワークを通じて、収益に対する理解と分析力を高め、数字に強い管理職に育てる

 

③自身の3ヶ年計画づくりと実践
→自分自身の3ヶ年計画を立てて理事長と上長に発表することで目標達成への実践を促す

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宮花 宙希

執筆者名:宮花 宙希

慶應義塾大学卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。

入社後は一貫して、採用・育成・評価・組織活性など人事・組織関連のコンサルティングに従事する。

現在は、人事・組織のテーマコンサルティング部署の責任者を担当。

コンサルティング先は、全国の中小企業から従業員数3,000名を超える大手企業まで担当実績がある。

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