「企業価値向上経営フォーラム 8月度例会」開催レポート 〜DXから「AX」への変革と、人生を賭けて挑む経営者の熱気あふれる1日〜

2026.10.22

開催報告

2026年8月、株式会社船井総合研究所は「企業価値向上経営フォーラム 8月度例会」を開催しました。全国から約200名の中堅・成長企業の経営者・エグゼクティブが参加し、今回のメインテーマである「AIエージェントによる業務効率化とDX戦略」について議論しました。

本稿では、当日の講演内容と発信された情報のエッセンスを報告します。

開会の挨拶と「師と友づくり」の理念

船井総研グループでは、「サスタナグロースカンパニー(持続的成長企業)」の創出を掲げ、経営者の皆様の成長フェーズに合わせた伴走型支援を行っています。

本研究会は、参加企業が注力するテーマ(CRMカンパニー、戦略財務、パーパス経営、M&A、IPOなど)ごとの分科会形式で進行されました。船井総研が提唱する「師と友づくり」の理念に基づき、自社の成功や失敗を共有し、共に高め合える経営者仲間(友)や、学び合える先輩経営者(師)と出会う場となることを目指しています。

今回の例会では、従来のデジタルトランスフォーメーション(DX)を超え、AI自らがタスクを実行する「AX(AIトランスフォーメーション)」時代への本格的な移行をテーマに設定しました。経営者自身が命の時間を何に使い、組織や業務フローをどう再設計すべきかという、経営の本質に迫る議論が行われました。

各講座の様子とハイライト

本例会では、マインドセットから現場での具体的なAI実装・成果創出まで、一貫したストーリーで講座が展開されました。それぞれのハイライトをご紹介します。

【オープニング講座】AIエージェント時代における社長の仕事

本フォーラム主宰の鈴木圭介によるオープニング講座では、まず「サステナグロースカンパニーアワード」の受賞報告が行われました。本研究会の会員企業から4社が、12,000社以上の中から12社のみが選ばれる同賞に選出されたことが共有されました。

続いて、経営環境の変化について、従来のDX(デジタルトランスフォーメーション)にとどまらず、自律的に動作するAIを活用する「AX(AIトランスフォーメーション)」の時代が到来していると提示されました。
先行企業では、AIを情報検索や文章作成に利用する段階から、業務プロセス自体を自走させる「AIエージェント」の活用段階へ移行していると解説。「初任給を倍にして採用人数を半分にし、10倍の成果を目指す」といった、AIを前提とした抜本的な組織構造・採用計画の再設計の必要性が提起されました。

【第1部:特別ゲスト講演】世界的IT企業を率いた軌跡:数々の苦難を乗り越えた経営論と、Zoomが魅せるAIの未来

特別ゲストとして、ZVC JAPAN株式会社(Zoom)代表取締役会長兼社長の下垣典弘氏にご登壇いただきました。

「一会一生」という覚悟

下垣氏は、ご自身の壮絶な人生経験から得た死生観に触れ、「一度会ったら一生付き合う」という「一会一生」の覚悟で人と向き合っていると語りました。肩書や立場に左右されず、悩みに寄り添い合える関係こそが本当の繋がりであると述べられました。

経営者の原動力と「採用3原則」

Dropbox創業者ドリュー・ヒューストン氏のスピーチを引用し、経営者自身が持つべき原動力として以下の3点を挙げていただきました。

  • テニスボールを探す:寝食を忘れて夢中になれる対象を持つ。
  • 刺激あるサークルに身を置く:高め合える人たちと付き合う。
  • 人生3万日の冒険:限られた時間を誰と何をして過ごすかを意識する。

また、講演後の質疑応答では、人材獲得に関する悩みに対し、独自の「採用3原則」を明かされました。

  • 好奇心:未知のものに「どうやるのか」と食いつけるか。
  • 失敗経験(チャレンジ):安全圏にとどまらず、挑戦して失敗した経験があるか。
  • 忍耐力(ピーリング):「なぜ?」を4回重ねて本音と耐性を確認する。

設備が整った「グランピング」ではなく、何もない不自由さを楽しめる「ワイルドキャンプ」型の人間こそ成長企業に必要であると語られました。

会話を資産に変える高生産性経営

Zoom社が売上高200億円(人員147名)から500億円弱へと急拡大する中で、組織体制を160名未満で運営している事実をご紹介いただきました。下垣氏は、特定のAIモデルの優劣を論じるのではなく、自社内に散在する「会話データ」を統合・資産化することの重要性を強調。電話、面談、商談の履歴を一元化し、AIが営業の勝ちパターンや顧客の解約兆候を分析して現場を支援する仕組みが実演されました。

【第2部:AI経営ワークショップ】経営層からはじめるAI活用ワークショップ

後半は、AIを自社でどう具現化するかを学ぶ実践的なセッションが行われました。

AI診断とエージェント実演

船井総研AIソリューション開発室の吉田祐司・中野秀弥が登壇し、参加者はスマートフォンで自社の業務ボトルネックを可視化する「AI診断」を体験しました。さらに、毎朝Googleドライブ上の情報を基に「今日フォローすべき重要案件」を自動通知するAIエージェントのデモンストレーションが行われ、経営課題を正しく設定すれば、開発に時間をかけずとも現場業務を自動化できる可能性が示されました。

船井総研のAI活用事例

船井総研CRMコンサルティンググループの小牧大介は、AI活用の成否を分けるポイントとして、業務フローにおける「判断」は人間が担い、その前工程(情報収集)と後工程(記録・資料作成)をAIに任せるべきだと解説しました。

具体的な導入アプローチとして、以下の2つが公開されました。

  • PRIME:業種ごとの型から導入できるプラットフォーム(公共積算、不動産登記、商談分析など)。
  • FDE支援:自社CRMデータを活用し、専用の「AI営業部長」などを構築する支援。

関東の金属加工メーカーが、商談データのAI分析によって年商を2.98億円から5.16億円へ急成長させ、新規顧客比率52%、新規粗利率約2倍を達成した成功事例が紹介されました。

終わりに

本フォーラムは、AIによって常識が激変する時代において、経営者が直面する重い決断の一助となることを目指しています。志を同じくする全国の経営者が集い、本音で語り合い、刺激を受け合える「師と友」のコミュニティとして、今後も有益な情報発信と交流の場を提供していきます。

100億企業化
コンサルティングに
ついてはこちら

お問い合わせ

CONTACT

CONTACT FORM