新規事業と他県進出/ヒューベストホールディング 株式会社(売上130億/従業員375名)2023年3月号
100 億を超える成長に必要な「パラダイムシフト」
ヒューベストホールディングは、佐賀県唐津市という人口約12万人の商圏で事業を行い、
地域の有力企業に成長するのと同時に、
新規事業や近隣のより大きな商圏への進出を実現しました。
事業承継、組織再編 や人の採用など、成長のステージごとに生じる課題に向き合い、
解決することで、年商130億円を達成しています。
企業は規模の拡大に伴い「オーナーの所有物」から「公的、パブリックなもの」に変わっていきます。
それはパラダイムシフトと言えるレベルの大きな変化で、成長痛のようなものもありますが、
そのステージに達すると協力してくれる人も増え、成長は加速していきます。
小さな中古車販売業が地元の有力企業へ成長し、
新たな事業でより大きな商圏へと進出した軌跡と、
さらなる拡大を目指す事業展望についてお届けします。
Consultant Introduction Consultant Introduction コンサルタント紹介
株式会社 船井総合研究所
価値向上本部 アカウントパートナー室
マネージングディレクター
Keisuke Suzuki
鈴木 圭介
船井総研入社以来、法律事務所業界のコンサルティングに従事。業界慣習に則した業績UP提案は、規模感を問わず、多くの事務所の成長を実現し、弁護士会においても多数の講演実績を持つ。中堅大手向けのコンサルティング部門を兼務し、特に100億円を目指している企業及び事務所のビジョン・ロードマップの策定、グループ経営に向けた組織再編、新規事業開発といった経営体制の変革及び実行支援を得意としている。主な著書・共著『新訂版 弁護士のためのマーケティングマニュアルII分野別実践編』2017年第一法規株式会社、『改訂版 法律家のためのWEBマーケティングマニュアル』2015年第一法規株式会社、『士業の業績革新マニュアル』2015年ダイヤモンド社。主な講演実績:2019年第一東京弁護士会全期旬和会Professional Lawyers Japan 2019「弁護士のためのブランディング戦略」、2017年大阪弁護士会五月会「弁護士のためのマーケティング戦略(企業法務篇)」。
Interview & Report
ヒューベストホールディング株式会社
代表取締役会長
Toshiharu Okano
岡野俊治氏
新規事業&新卒採用で他県進出、
売上130億円
小さな商圏で大きくシェアを獲得し、大きな商圏に進出。
業容の拡大に伴い新卒採用を強化し、グループ全体で30人以上が入社し、離職率は5%。
「店長、社長になりたい」若い力が会社の成長を力強くけん引。
新規事業&新卒採用で他県進出、
売上130億円
小さな商圏で大きくシェアを獲得し、大きな商圏に進出。
業容の拡大に伴い新卒採用を強化し、グループ全体で30人以上が入社し、離職率は5%。
「店長、社長になりたい」若い力が会社の成長を力強くけん引。
支援で得られた成果
・中古車販売事業の成長 グループ全体売上100 億円突破
・事業多角化( M&A含む)、新規事業立ち上げと収益化
・後継者育成、さらなる成長の組織構築
・新卒採用の制度構築、学生の人気企業に
【1】プロジェクトの概要
プロジェクト開始前の課題
・中古車販売店事業の頭打ち、商圏の縮小
提供したソリューション
・中古車販売事業の拡大
・M&Aの提案、実施支援
・後継者育成と活躍できる場の整備
・新卒採用制度構築・ホールディング化
導入後の効果
・売上10 0 億を超える地元の有力企業に成長
・ 2022年の新卒採用が32人、地元の人気企業に
・新規事業の「ローコスト住宅」で唐津市シェア1位獲得
・さらなる成長を目指した「新たな事業を興しやすい組織」の構築が完了
【2】プロジェクトの詳細
❶中古車販売業としての成長
唐津カーセンターは1974年に佐賀県の唐津市で創業し、中古車販売や車検・修理といった自動車整備を行ってきました。
船井総研との付き合いが始まったのは2005年で、時代の変化に伴いこれまでの形では利益が出にくくなってきたこともあり、今後の事業の可能性について経営者も思案しているときでした。
創業者で代表取締役の岡野俊治氏が船井総研のセミナーに参加したのをきっかけに、支援が開始しました。
船井総研が提供する様々な手法を実践したことで中古車販売業は利益の出る形を作ることができ、そのほかにも事業を拡大し、2018年にはグループ全体の売上100億円を達成、その後も売上をさらに伸ばし、2022年は130億円になっています。
❷後継者育成、ご子息の入社
事業の規模が拡大するのに伴い組織も整える必要が生じ、特に会社を支える幹部社員の必要性が高まっていきました。
船井総研が提案したのは、創業者の岡野氏のご子息に入社してもらうことです。ご子息の長男は地元を出て働いており、次男の岡野晃士氏は佐賀銀行で働いていました。
岡野氏の了解のもと、晃士氏に対し、船井総研は「まず会社の状況を知ることから始めませんか?」と働きかけました。毎月のコンサルティングを銀行が休みの土曜日に変更し、晃士氏にも参加してもらう形を整備。 毎月の場で会社についての理解や現状の把握を繰り返したのちに、晃士氏は2006年、25歳のときに入社しました。
❸新卒採用の制度構築
晃士氏が入社した翌年、自動車ディーラーの店舗4つを譲受してもらえないかと話が持ちかけられました。
船井総研も同意し、M&Aが実現しましたが、ネックとなったのは採用です。
それらの店舗には合計で55人の社員がいましたが、ほとんどは2年以内に譲渡側の会社に戻る条件が付いていました。
そのため至急代わりとなる人を集めましたが、急いで採用したので素行不良の人がいたり、定着率が悪いなどの問題が生じました。
そのような中でも、定着率が高い傾向だったのが、新卒で採用した人たちです。
新卒は育成に時間がかかるけれども、以前の会社のやり方など、今の会社では必要ないものなどもなく、会社の方針を素直に吸収してくれる。
そのような経験から、同社は採用の中心を新卒にシフト。採用する学生と年齢が近かった晃士氏が、新卒採用の中心となって進めていきました。
船井総研の採用コンサルティング部門が「採用体制の整備」「インターンシップの企画」「リクルートページの新設」「企業から学生にオファーをする Offer Boxの活用」といったことを支援しました。
新卒採用体制の整備により、新卒で入社する学生の数は年に2、3人ほどから、その後増え2019年は7人、2020年は17人、2021年は16人になっています。