一代で300拠点、グループ10社で従業員1,800人超 10年後の年商300億を見据え今行うこと/株式会社OMGホールディングス(売上100億)2024年8月号

整骨院1院から年商100億円の地域コングロマリットを実現した経営戦略
今回ご紹介する企業は、比較的小規模の企業が多い整骨院業界において、たった1人の接骨院から業界髄一の企業集団(グループ総売上100億・300拠点・従業員1,800名)へ成長しました。
この企業の変遷を見ていると、業界内の常識にとらわれず、時流を読み、変化に適応した多角化経営を実現していることがわかります。
根底にあるのは「もっと多くの人々の心と体を健康にして社会に貢献したい」という強い想い。それを体現するための組織規模にし、また複数事業を展開するホールディングス化もしています。
本レポートでは、小規模→大規模への拡大に至るまでの変遷とそのポイント、コングロマリット企業(鍼灸整骨院・請求代行・リラクゼーション・ホテルスパ・介護・看護・美容・スクール他)へと変革を遂げた考え方、実現方法について解説します。
ぜひご覧いただければと思います。
インタビュー&レポート

株式会社OMGホールディングス
代表取締役会長兼社長
Takanobu Ohira
大平 雄伸 氏
小規模事業者の多い業界で、 飛び抜けた成長を成し遂げた 企業の経営術
株式会社OMGホールディングスは
「時間をかけて創りこんだビジネスモデルを一気に展開する」ことで100億企業に到達しました。
横展開にとどまらず、新たな事業開発も進めているのが、今なお止まらない成長の理由です。
BusinessSummary
創業期 ー基盤創りー
1991年、現OMGホールディングス代表取締役会長兼社長の大平雄伸氏は、群馬県伊勢崎市に「大平接骨院」を開業しました。
現在までの道のりは順風満帆かというとそうではなく、むしろ逆風でした。
というもの開業からわずか3カ月程のある日、接骨院に面する幹線道路沿いで工事が始まり、それが断続的に続いたのです。
工事の影響で店に続く道路は通行止となり、人と車の流れを断ち切られて誰も通らない状態で、患者の来院が完全にストップしたのです。
工事開始から6カ月が経過した頃には、経営が危険な水域に達しました。
そこで「ただ工事が終わるのを待っていても仕方がない」と腹を括り、お客様との会話をヒントに考え出した「送迎サービス」に賭けてみようと考えました。
当時身重の奥様に送迎の運転を頼み、自身も昼休みや診療終了後など時間の許す限り、近所をくまなく歩いてはドアノック営業を始めました。
その結果、接骨院の認知度が徐々に上がり、また送迎も評判を呼び、首の皮一枚で大平接骨院は生き延びたのです。
この経験から大平氏は「経営者としての計画の大切さと諦めない執念」の大切さを学び、それは大事な価値観として根付いています。
個人事業主から法人経営へ
バブル経済が崩壊した1991年頃から日本の景気は低迷を続け、後に「失われた20年」あるいは「30年」と呼ばれるときを迎えます。
それに反するかのように大平接骨院の需要は順調に増え、経営は安定しました。
大平氏自身も治療の知識や技術の研鑽を続け、お客様満足の向上に注力し続けます。
また、地域密着の接骨院となるため、町内活動や地域貢献活動等にも多く参加しました。
そうして独立開業から6年目の1997年には、群馬県伊勢崎市において名実ともに地域No.1の接骨院となったのです。
1997年には、東京都豊島区大塚に「幸和はり灸整骨院」を開業し、東京進出を果たしました。
大平氏は満を持して有限会社オオヒラメディカルネットワークを設立し、個人事業主から法人経営へと大きく舵を切りました。
こうして会社は、群馬と東京エリアの2拠点となり、1999年からの多店舗展開の足掛かりとなりました。
担当コンサルタント

株式会社 船井総合研究所
治療院・エステ支援部 整骨院グループ
マネージャー
Yuki Ogawa
小川 裕樹
入社して以来一貫して治療院の業績アップコンサルティングに従事しており、全国の整骨院に経営コンサルティングを実施。全国300社以上の会員企業を有する整骨院経営イノベーション研究会/整骨院交通事故研究会の責任者も務めた。
コンサルティング実績としては年商2,000万円~年商10億前後と幅広く、20社強のクライアントを持ち、日々全国の治療院の地域一番店創りをサポートしている。
特に、自費・交通事故売上アップによる施術者一人当たり生産性向上の分野を強みとしており、全国各エリアにおける成功事例を多く保有している。2024年からはマネージャーとして整骨院部門の統括を担い「人が育ち、持続的に成長し続ける企業創り」をモットーに日々コンサルティングにあたっている。
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