伸びる会社は評価制度で人を育てない

2025.12.22

低成長時代でも伸び続ける中堅企業のB社は何が違うのか?

売上規模や社員数の多さだけが企業の良し悪しの判断軸ではありませんが、私どもは「良い会社(組織)であり続け、世の中に良いことをし続けている会社には人(社員、顧客)が集まり続ける」という考えのもと、「組織のカベ」を超えて、100名超え、300名超え、1000名に近づける企業は何が違うのか?を研究、整理し、お伝えしております。

そんな中、西暦2000年以降の国内の低成長時代にも関わらず、その時点で社員数50名足らずだった中小企業が、社員100名、300名と持続的成長を続けている組織になっているところは、社員の心の底からのノリを高めるマネジメントを重視、展開されていらっしゃるようです。

以下に、そのポイントを整理させていただきます。

①「100名のカベ」にぶつかるA社と超えるB社:どんな戦略がすごくても人(社員)のノリが悪いと何も進まない

企業が持続的成長を続けるためには、「戦略的展開パフォーマンス」が適切であることは大前提です。ただ、それだけでは社員が増えてくると難しくなります。

社員50名ぐらいまでは、社長1名で引っ張っていけます。また、社長1名のトップダウンで社員100名超えぐらいまでは表面的に業績は伸ばせますが、社員が心のノリ(人材適応パフォーマンス)が悪いといずれ伸びはいずれ鈍化します。

その一方で、「100名のカベ」をものともせずに、持続的成長を遂げている企業様もいらっしゃいます。

社員数50名を超えてからも「戦略的展開パフォーマンス」に呼応する形で「人材適応パフォーマンス(社員のノリ)」が伸び続けています。金銭的な報酬や、評価による昇進・昇格によるモチベーションよりも、ここの会社での仕事に楽しみ、やりがい、この会社の仕事を続けることに未来を感じている社員が多い状態です。(決して、金銭的なものや評価が全く必要ないという訳ではありません)

②ルール・規則は人の心を縛る

低成長時代でも伸び続ける企業は、この会社で働く目的の真因(内発的動機)を自分事にできているメンバーが多いため、たとえ、業務量が増えても、タスクに追われても「なぜか、明るく忙しい」カルチャーが定着します。

伸び悩む企業は、ルール、規則、評価制度を中心にマネジメントしようとしています。一方、伸び続ける企業は、理念、価値観を中心にマネジメントしようとしています。

決して、企業にとって、ルール、規則、評価制度が不必要と申し上げているのではなく、ある程度は必要です。ですが、伸び続ける企業はルール、規則は補助的なもので、最低限なものに留めていらっしゃいます。

過度なルール、規則は、人の心を縛り、現場でのフレキシブル(柔軟な)、自律的な対応を阻害することを熟知されていらっしゃいます。ルール、規則に書いてあることは守るが、そこに書いていないことはどうするのか?というように自律的な思考判断をストップしたり、ルールを守らないと、評価者(社長、上司)に評価されない、と評価者の顔色を必要以上に気にする状態は中長期的に見て成果に悪影響を及ぼすことを熟知されていらっしゃいます。

では、そのために何が必要なのか、ということになりますが、先ほど少し触れましたが、社員数50名超えあたりから、「理念・価値観マネジメント」を重視、着手されていらっしゃいます。

③「理念・価値観」マネジメントができているか?

「理念・価値観マネジメント」とは、端的に表現しますと、自分たちの1番のボス(偉い人)を自社の理念、パーバス、PMVVに置くマネジメントです。

理念・パーパス・PMVVは、それを守らなければ給料が下がったり、昇格ができなかったりするルール、規則ではなく、自分たちの日々の活動における自律的な行動・判断軸です。

伸び続ける企業は、理念やパーパスを掲げながらも、現場の実際の感覚は「社長=理念」になっているカルチャーです。話しの中身よりも“誰が(社長、上司)”言っているかを気にするカルチャーです。

一方で、伸び悩む企業は、社長,上司を含めて、社員全員がフラットに理念やパーパス、PMVVを1番のBOSS、基準にして、自分たちの日々の活動を自律的に確認、判断していくカルチャーです。(無意識的な場合も含めて)社員100名手前or前後のステージでこうしたマネジメントを重視、展開していらっしゃいます。

そして、「理念・価値観マネジメント」の要諦は端的に申し上げますと、以下の3点だと考えています。

  • ❶理念・パーパス・PMVVが分かりやすくつながっていて、ストーリーになっている
    ~そして、実際の戦略、実践事項もつながるストーリーを意識して腹落ちさせようとしている
    (そうしないと理念が単なるきれいごと、置き去りになることがついつい、起こりがちです)
  • ❷「理念・パーパス・PMVVが社内で1番偉い」という建付けをオープンに宣言している
    ~社長・幹部自らが率先垂範する姿勢を明確にしている。みんな一緒に垂範しようというスタンスが明確になっている。
  • ❸理念・パーパス・PMVVについて“自分事”で考える時間を社内で一定時間確保している
    ~通常の会議、mtgは業績管理、タスク管理、PDCAの時間が中心ですが、そことは一線を画して時間を確保している。

「理念・価値観マネジメント」は一歩間違えると、“似て非なるもの”になりがちな側面もあります(例:理念の単純な暗記、復唱だけの取り組み・・・etc)。

このマネジメントの取り組みを正しい適切なタイミングで、正しいアプローチで、粘り強く行うことが低成長時代でも持続的成長を続ける中堅企業には必要不可欠ではあると考えております。

ぜひ、低成長時代でも持続的成長を続ける企業づくりの一つとして、皆さまの企業内での「理念・価値観マネジメント」についての現状のご整理、ご検討をしていただければ、と思います。

(こちらの記事は2022年11月1日に執筆されたものです。 最終更新日:2025年12月22日)

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