点の「支援」から、面の「まちづくり」へ

点の「支援」から、面の「まちづくり」へ

保育から広がる「ソーシャルインクルージョン」のかたち

和歌山発、全国100施設・売上約100億円を達成した「社会福祉法人 檸檬会」の成長の軌跡を紐解くレポートです。保育から障がい福祉、総合コミュニティへと事業を多角化させながら、「ソーシャルインクルージョン」を実現してきた同法人。急拡大に伴う組織・財務の壁をどう乗り越えたのか、No.2・No.3による役割分担、CFO配置と管理会計、理念の言語化による採用強化など、100億円企業化を果たすための実践的な経営戦略を凝縮して解説します。

インタビュー&レポート

CompanyProfile

事業を通じた「 社会づくり」

社会福祉法人 檸檬会は、和歌山県に法人本部を置き、教育事業や福祉事業を通じて、誰もが人生を楽しみ躍動する機会を得られる社会づくりを行っています。2018年には50施設を超え、2026年には100施設となりました。「100億企業化 」を達成しただけでなく、「100施設 」の達成により、より多くの方に檸檬会の教育・福祉サービスを提供できるようになりました。

檸檬会の事業は、大きく「教育事業」と「 福祉事業 」の2つの領域を軸に広がっています。そして、それらを地域の中で有機的につなぐ構想が、ソーシャルインクルージョンヴィレッジです。

1つ目は、教育・保育事業です。認可保育園や認定こども園、小規模保育園、インターナショナルプリスクール、子育て支援センター、放課後児童クラブ等を通じて、乳幼児期から学齢期までの育ちを支えています。
安心感の基盤をつくる「乳児の育児担当保育」、子どもの探求心を育む「つながる保育®」など檸檬会共通の保育理念・方針を掲げながら、日本全国に事業を広げています。

2つ目は、障がい福祉事業です。障がいのある方が、自分らしく学び、働き、暮らすことができる社会の実現を目指し、児童発達支援・放課後等デイサービス、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、グループホーム、自立訓練(生活訓練)などの複数の障がい福祉事業を展開しています。
そして、奈良県三郷町にある大学の跡地の一部を利活用し、「ここで働き、学び、遊び、交流する。すべての人が躍動できる社会 」をコンセプトとした、教育と福祉の総合コミュニティ「ソーシャルインクルージョンヴィレッジ」プロジェクトを行っています。

CompanyHistory

介護の現場で見えた課題が、保育事業への参入につながった

前田氏が最初に手がけたのは、保育事業ではなく介護事業でした。
2000年の介護保険制度の開始にあわせて和歌山で事業を立ち上げ、地域の中で事業を広げていくなかで、前田氏はひとつの現実に直面します。
働きたくても、子どもの預け先がないために働けない人が多いということです。

この声を受けて、前田氏は保育の必要性を強く認識します。少子化が進む一方で、地域には長時間保育や0歳児から預けられる場が不足していました。そこで自治体を回り、整備の可能性を探りながら、保育事業へと踏み出していきます。

まず数をつくり、走りながら知見を蓄積

保育事業を始めた当時は、整備費補助も十分ではなく、金融機関にとっても保育園の新規開設はまだ一般的なものではありませんでした。資金面では厳しい環境にありましたが、前田氏は立ち止まりませんでした。
2007年の社会福祉法人化を経て、2009年には滋賀・大阪、2010年には埼玉・神奈川、2011年には東京へと展開を進めていきます。
まず必要な場所に拠点をつくり、その積み重ねの中で知見を蓄積していく。その進め方が、檸檬会の継続的な成長を支えました。

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