100億企業を目指すための財務戦略の立て方

2023.09.17

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本日は100億企業を目指すための財務戦略の立て方について解説させて頂きます。

1. 財務戦略の位置づけ

皆様は100億企業を目指す際、まずどの戦略から考えますか? 多くの経営者は「事業戦略」「人材戦略」と答え、「財務戦略」の優先順位は低くなるのではないでしょうか。 実は、我々コンサルタントもまずは5年後、10年後の「ありたい姿」を決めた後、 事業戦略・人材戦略を立案しながら財務戦略を立てていきます。 財務戦略はバックキャストの視点が重要であり、財務戦略ありきの計画は立てません。 しかし、企業の長期的な成長に投資は重要であり、投資に伴う財務リスクを事前に把握し、最小化させることが持続的な企業成長に必須です。

2. 【事例】成長企業における財務課題

ここで実際の企業事例から考えてみましょう。 【事例】成長企業における財務課題
  • 積極的に人材採用を行ったが、「採用した人材が生む収益」より「人件費」が先行して発生するため、資金繰りが急激に悪化
  • 大規模な出店により借金が増加し、金融機関からの評価が低下。融資が出にくくなり、仕入強化のための運転資金や工場拡張の設備資金確保が難化
  • M&Aのチャンスがあったが、資金調達できずブレイク
このように企業の成長機会で財務戦略を先行させていない場合、キャッシュ不足の悪循環に陥ってしまいます。 その為、「キャッシュフロー・資金調達力の見える化・最大化」することが求められます。 【キャッシュフローの見える化】
  • 月次で現預金残高と収支を予測
  • 営業CF(利益、運転資金増減)、投資CF(投資予定)、財務CF(借入、返済)
【キャッシュフローの最大化】
  • 営業CFを最大化し、財務CFのうち毎月の借入返済額を最小化
  • 営業CFでは運転資金の増減に着目し、効率性(売上債権、在庫の回転率等)を改善
  • 借入金は資金使途に応じた借入方法にすることで、借入返済額を最小化
【資金調達の見える化・最大化】 金融機関審査の重要指標が適正数値になっているかを確認
  • 債務償還年数  基準:10年以内 良:5年以内 優良:3年以内 <算出式> {有利子負債ー(売上債権+棚卸資産ー仕入債務)}÷(経営利益×0.6+減価償却費)
  • 自己資本比率  基準:10%以上 良:30%以上 優良:50%以上 <算出式> 純資産÷総資産
  • 借入依存度   基準:60%以内 <算出式> 純資産÷総資産
決算時点や投資後のPL、BSを予測し、上記指標を算出して資金調達力を計測しましょう。 【資金調達力の最大化】
  • 金融機関の支援先に対する実態把握レベルを向上 多くの金融機関が企業の実態や将来予測を把握できていないため、 企業側から適切な情報提供を行うことにより資金調達力を向上
  • PL、BSの着地見込み、収益の増減要因、ビジネスモデル、 投資計画・方針、グループ会社との関係性などが情報提供のポイント
  • 融資枠の確保 当座貸越、コミットメントライン
  • 担保余力の確保

3.100億企業を目指すためのポイント

100億企業を目指すためには最低でも下記の財務体制を構築する必要があります。 そして、上記「財務のあるべき姿」×「今後の事業展開」を基にバックキャストの視点で 3つのテーマに分けて財務戦略を立てていきます。 【調達戦略】 事業に必要な資金を確保するためにはどのような体制が必要か 【管理戦略】 適切な意思決定を行うためにはどのような管理体制が適切か 【組織戦略】 円滑に事業運営を行うためにはどのような組織になっておくべきか (例)財務戦略事例 事業計画を基に将来の出店資金を融資枠にて確保し、成長した企業の事例 【企業情報 事業内容:小売業(グループ3社) 従業員数:350名 【抱えていた課題】 ・出店用物件確保に課題 事業拡大には店舗拡大する必要があったが、希望の立地に出店できない状態が続いていた ・問題点 物件申込までに「物件調査→融資相談→融資結果(2週間程度)→物件申込決定」と 2週間~3週間を要し、資金力のある企業に先を越されている 【提案したソリューション】 資金調達力の改善 ・事業計画に基づいた、年度投資資金の確保(=融資枠) ・増加運転資金に対応する当座貸越の確保 CFOの育成・設置 ・金融機関対応の一元化 ・財務領域の権限委譲 【支援で得られた成果】 ・年商:70億→130億 ・営業利益:2億→6億 ・資金調達:コミットメント付タームローンによる投資資金の確保(出店資金を予め確保) 上記は事業計画に基づいた将来の出店資金を予め確保し、出店を加速させた事例ですが、 事業計画だけあっても財務戦略がなければ、描いた計画が実行できません。 そして、実効性の高い財務戦略を立てるには、より明確なロードマップが必要となります。 自社が100億企業に到達したときどのような姿になっているのかをクリアにしていただき、 バックキャストの視点で財務戦略を立てていただければと思います。

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