10億宣言とは何か。いま中小企業に求められるのは、“売上拡大”ではなく“稼ぐ力”への転換である
2026.08.05
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10 億宣言とは?対象・支援策と中小企業の成長戦略
結論:10 億宣言とは、売上高 1 億円以上 10 億円未満の成長志向中小企業が、売上高 10 億円の実現と高収益化を目指す意思・計画を明確にし、投資・金融・人材などの支援につなげていく成長支援の方向性です。
単なる売上目標の表明ではなく、少ない人数でも高い付加価値を生み出せる経営への転換が本質です。
この記事でわかること
• 10 億宣言の意味と、100 億宣言との違い
• 想定される対象企業と、投資・金融・ソフト支援の方向性
• 人手不足の時代に、売上 10 億円を実現するための経営課題
• 制度の詳細が公表される前に、企業が準備すべきこと
10 億宣言とは何か
10 億宣言は、売上高 1 億円以上 10 億円未満の成長志向企業を念頭に、売上高 10 億円の突破と高収益化を後押しする政策パッケージとして検討されているものです。
企業が成長ビジョンを明確にし、地域金融機関などの伴走を受けながら、設備投資、販路拡大、人材確保、経営基盤の整備を進めることが想定されています。
重要なのは、「10 億円を目指す」と宣言すること自体ではありません。
どの市場で、どの強みを生かし、何に投資し、どのように付加価値と利益を高めるのか。
その実行可能な成長ストーリーを描くことが、10億宣言の価値を決めます。
| 項目 | 10億宣言 | 100億宣言 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 売上高 1 億円以上 10 億円未満の成長志向中小企業を想定 | 売上高 10 億円以上 100 億円未満で、売上高 100 億円を目指す中小企業 |
| 目標 | 売上高 10 億円の実現、高収益化、経営の質の向上 | 売上高 100 億円という飛躍的成長 |
| 政策上の意味 | 成長志向企業の裾野を広げる新たなメカニズム | 100 億企業創出メカニズムの強化 |
| 共通点 | 宣言だけでなく、投資・組織・金融・経営管理の変革が必要 | 宣言だけでなく、投資・組織・金融・経営管理の変革が必要 |
なお、10 億宣言の制度要件、申請時期、支援メニューなどは、今後の公表資料で変更される可能性があります。
実際の活用にあたっては、必ず最新の行政資料を確認してください。
なぜ今、10 億宣言が注目されているのか
人手不足で「人数を増やせば売上が伸びる」経営が難しくなる
人口減少と人手不足が進む中、従来の労働集約型モデルだけで成長を続けることは難しくなっています。
必要なのは、採用人数の拡大だけに依存せず、業務の標準化、デジタル活用、商品・サービスの高付加価値化によって、1 人当たりの生産性を高める経営です。
政策の軸が「事業継続」から「成長と稼ぐ力」へ移っている
政府の成長戦略では、100 億企業創出メカニズムの強化と、売上高 1~10 億円規模などの成長志向中小企業を対象とする新たなメカニズムの構築が掲げられています。
10 億宣言は、成長企業の裾野を広げ、賃上げや地域経済の活性化につなげる政策文脈で捉えることができます。
10 億宣言で想定される 3 つの支援
1. 投資支援
設備投資や生産性向上、販路拡大など、成長のボトルネックを解消する投資を後押しする支援です。
重要なのは、補助金を得ることではなく、投資によって売上・粗利・生産性がどのように変わるのかを数値で説明できることです。
2. 金融支援
地域金融機関や政策金融との対話を通じて、成長投資に必要な資金を調達し、投資後の返済可能性まで含めた財務戦略を構築する支援です。
金融機関に対しては、過去の決算説明だけでなく、成長投資の目的、KPI、資金使途、返済原資を示すことが求められます。
3. ソフト支援(人材・経営基盤)
人材確保、幹部育成、経営管理、営業の仕組み化、DX など、投資を成果に変える組織・経営基盤を整える支援です。
設備や資金だけでは成長は実現しません。投資を運用し、継続的に改善できる人と仕組みが必要です。
売上 10 億円を実現するために企業が準備すべき 5 つのこと
1. 成長市場と勝ち筋を定義する
自社の強みが顧客のどの課題を解決し、どの市場で選ばれるのかを言語化します。
売上目標だけでなく、顧客数、単価、リピート率、粗利率などに分解します。
2. 社長依存から脱却する
意思決定、営業、採用、品質管理が社長個人に集中している場合、規模拡大がボトルネックになります。権限移譲、会議体、責任者制度を整えます。
3. 粗利と価格決定力を高める
売上拡大だけでなく、商品別・顧客別の粗利を把握し、値決め、商品構成、提供方法を見直します。
安売りで量を追うのではなく、選ばれる理由を明確にします。
4. 営業と業務を仕組み化する
トップ営業の経験を再現可能なプロセスに落とし込み、案件管理、標準提案、受注率、失注理由を可視化します。
業務の標準化とデジタル活用は、人手不足への有効な対応になります。
5. 金融機関と成長計画を共有する
3~5 年の売上・利益・投資・採用・資金繰り計画を作り、金融機関と定期的に対話します。
宣言は資金調達のゴールではなく、成長投資を実行するための共通言語です。
10 億宣言を「制度対応」で終わらせないためのチェックリスト
• 10 億円に到達する期限と、年次・月次の数値計画がある
• 売上を商品・顧客・拠点・営業担当などに分解している
• 粗利率・営業利益率・労働生産性の目標がある
• 成長投資の内容と投資回収の見通しがある
• 社長以外の責任者と権限移譲の設計がある
• 採用・育成・定着の計画がある
• 金融機関に説明できる資金使途・返済原資がある
• 制度の最新要件を確認する担当者が決まっている
よくある質問(FAQ)
Q1. 10 億宣言とは何ですか?
A. 売上高 1 億円以上 10 億円未満の成長志向中小企業が、売上高 10 億円の実現と高収益化を目指す意思・計画を明確にし、投資・金融・人材などの支援につなげていく方向性です。
Q2. 10 億宣言の対象企業は?
A. 現時点で示されている方向性では、売上高 1 億円以上 10 億円未満の成長志向中小企業が想定されています。正式な要件は今後公表される最新資料をご確認ください。
Q3. どのような支援が想定されていますか?
A. 大きく、設備投資・販路拡大などの投資支援、金融機関や政策金融による金融支援、人材確保・幹部育成・経営基盤整備などのソフト支援が想定されています。
Q4. 10 億宣言をすれば補助金が必ずもらえますか?
A. いいえ。宣言は支援活用の前提や成長意思を示すものであり、補助金の採択や融資を保証するものではありません。投資効果、事業計画、実行体制などが重要です。
Q5. 制度開始前に何を準備すべきですか?
A. 10 億円までの数値計画、成長市場と勝ち筋、投資計画、組織・人材計画、金融機関への説明資料を整えることです。制度の詳細を待つのではなく、自社の成長戦略を先に作ることが有効です。
参照元
原記事: https://10billion.funaisoken.co.jp/blogs/column/20260712
内閣官房「日本成長戦略概要」:
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/pdf/jgs2026gaiyou.pdf
船井総合研究所「100 億企業化プロジェクトとは」: https://10billion.funaisoken.co.jp/pages/about
本稿は 2026 年 8 月 4 日時点で取得できた情報をもとにした編集案です。制度の正式要件は必ず最新の公表資料で確認してください。
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