国体出場の卓球選手からIT業界の起業家へ。 徹底した「人への寄り添い」で 売上200億を突破した軌跡/株式会社テックビズ(売上213億)/2026年5月号
「信頼が、紹介を生んだ」創業10年で売上200億 テックビズの経営哲学
創業10年で売上200億円超へと急成長を遂げた株式会社テックビズの経営戦略を紐解くレポートです。IT人材不足が深まる市場で、従来の発注者優位な常識を覆し「フリーランスへの徹底した寄り添い」を軸にした逆張り戦略を解説。広告費を還元策へ転換して登録者の9割をリファラルで獲得した集客構造や、成功モデルの他領域展開、離職率5%未満を実現したパーパス経営、自己資本中心の財務戦略まで網羅。100億円企業化を目指す経営者に欠かせない成長加速の要諦が凝縮された一冊です。
インタビュー&レポート
Company Profile
テックビズは、「働き方を変え、世界を変えていく」をスローガンに掲げ、国内最大級の ITフリーランス向けエージェント「 TECHBIZ 」を展開しています。
即戦力人材を求める企業と高度な専門性を持つフリーランスをつなぐ専門特化型エージェントとして成長し、近年はマーケティング、人事、財務経理などビジネス領域へも事業を拡大しています。
企業のデジタルトランスフォーメーションが加速する現代において、正社員の採用だけでは追いつかない技術トレンドの変化や、プロジェクト単位の開発ニーズ、急な欠員補充といった課題を抱える企業は少なくありません。
テックビズはこうしたニーズに応える形で、適切なスキルを持つフリーランスの参画を提案し、その対価として企業からマージンを得る事業モデルを核としています。
創業からわずか10年(※前身である株式会社NKC ASIAの創業から換算)で売上約200億円企業へと成長を遂げた原動力は、代表取締役・中島氏の経歴と、その経営哲学にあります。
創業の経緯・原風景
原風景①:卓球選手としての挫折と自分なりの答え
中島氏は、幼少期から筑波大学を卒業するまでの14年間、国体やインターハイに出場するほどの実力を持つ卓球選手として活動していました。小中学生の頃は夏休みに友人と遊んだ記憶がないほど練習に明け暮れ、努力を重ねてきました。
しかし一方で、日本代表になるようなトップ選手との間には、決して埋められない「壁」を感じていました。
自分と大成する選手との違いは、どこなのか。自己分析を重ねた結果、自身が「心の底から卓球に情熱を注ぎきれなかった」という点に行き着きました。
中島氏は当時を振り返り、「どれだけ努力しても、情熱をかけられるかが結果に現れてしまうのを肌で感じた」と語っています。
この経験は、「自分が本当に情熱を傾けられることでなければ、事業を大きく成長させることは難しい」という、後の経営哲学の基盤となりました。
原風景②:大企業での経験と独立への思い
中島氏は大学卒業後、大日本印刷に入社しました。大手金融機関やスポーツメーカーのBPO業務を担当し、新規開拓や改善策の提案などにも積極的に取り組み、様々な経験を通して仕事の面白さや手応えを感じる一方で、入社当初から抱いていた「卓球と同じくらい本気で取り組める仕事がしたい」という思いは次第に強くなっていきました。
就職を振り返り、中島氏はこう語ります。
「土俵は違っても、どこかで世界で活躍することを目指していたのだと思います。」
入社3年目を迎え、独立を決意して退職し、フリーランスとして歩み始めました。しかし明確な事業内容も定まっておらず、営業代行や会計事務所でのアルバイト、確定申告のサポートなどで生計を立てつつ模索する日々が続きました。
そうした中で出会ったのが、仕事を見つけることに苦戦し、悩んでいた1人のエンジニアでした。
「なんとか力になれないだろうか」
その思いから、中島氏は自らの知人をたどり、案件を探し始めます。懸命な奔走の末、そのエンジニアの仕事が決まります。この経験こそが、後のテックビズの原点となります。
事業領域の決定:「自身の関心」と「市場性」の交差点
中島氏には、独立に向けて努力している人やソフトウェアの業界に関わることができるならば頑張れるという強い確信がありました。
それは、フリーランスエンジニアのキャリアを支援するために、自らもITの知識を勉強し、「学んだ知識が確実に自分の糧になっていくのを感じられ、楽しかった」という実感があったからです。学べば学ぶほど世界が広がり、キャリア支援により人の役に立つことのできる業界に、確かな手応えと面白さを見出していたのです。
また、市場環境も追い風となっていました。2015年当時、日本の労働人口は減少傾向にありましたが、一方でIT案件は急増しており、将来的に45万人の ITエンジニアが不足するというデータが出ていたのです。
加えて、フリーランス人口も年20%のペースで成長を続けており、2026年にはエンジニアの3人に1人がフリーランスになるという予測さえありました。
「自分の好きなことであるIT分野で、かつ市場も確実に成長している。これなら勝てる」。
この2つの条件が揃ったことで、中島氏はITフリーランスの支援事業への参入を決意します。こうして2015年、現在のテックビズの前身となる株式会社NKC ASIAが設立されたのです。
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